ノーベル賞に関する話

黄金の間(舞踏会が行われる)・(株)日本旅行提供・著作者 吉田 新子

1.課税について

ノーベル賞の賞金は世界共通で非課税ですが、ただ一国アメリカでは課税の対象となります。

2.賞の順番について

ノーベルの遺言によって(本WEB参照)、賞は5個と決められていました。5個とは、物理学賞、化学賞、生理・医学賞、文学賞、平和賞で、この順番はノーベルが遺言でこだわっていた重要な部分の為。、この順番はノーベル委員によって今も遵守されており、受賞の順番や、座席の順番もこの順番になっています。

3.基金について

1976年、経済学賞を受けたフリードマンが、授賞式を終え、賞金を受け取りに財団に来たとき、財団の基金がいくらか聞いたそうです。5千万ドル(当時)と専務理事が答えると、フリードマンがびっくりして、「たった5千万ドルで世界中を大騒ぎさせているのか?」といいました。すると事務理事は、「財団の設立者がダイナマイトの発明家であった以上は、他の財団より小額の基金でビッグ・バン(大騒ぎ)させるのは当然です」と答えたといいます。

4.推薦法について

ノーベル賞は必ず文章による推薦で候補者を選びます。推薦資格は厳密に定められ、自薦は不可、受賞者への通知は電報で行われます。受賞者は、一賞あたり二分野、最高三人までで、財団は受賞者本人分の、ファーストクラスの往復航空運賃と、スウェーデンかノルウェー滞在中の費用を負担します。妻と、その他の人は自腹で払います。受賞者が出ない場合は保留になり、賞金は次年度に繰越、次年度に前年度該当として、当年と別に受賞者を選べるのです。ただし次々年度は不可です。賞金は、二人なら二分の一ずつ、三人なら三分の一ずつです。選考過程に関する資料は、各アカデミーの資料室に厳重に保管されていますが、50年後にならないと見ることができず、認められる人間も研究者に限られます。