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ノーベル財団
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| ストックホルッム市庁舎の中庭・(株)日本旅行提供・著作者 吉田 新子 |
| (1).ノーベル財団規約 |
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1900年6月29年、「ノーベル財団規約」が定められ、ノーベル財団が設立されました。遺産の90パーセント(遺産総額、日本円にして約207億円)が基金となったと言われています。9月25日には、初のノーベル財団理事会が開催され、1901年10月10日、ノーベル賞の第1回授賞式が行われました。「ノーベル財団規約」はノーベル財団の憲法で、財団の活動はすべて、規約にのっとって行われます。 規約の14条では、財団の最高議決機関を理事会としています。理事は、スウェーデン市民権保有者から選出します。理事会は、財団運営の要であり、最大権力機関なのです。日常業務には関与せず、財団基金の管理運用(財団基金の資産総額は、2001年現在、約510億円)と、賞金その他一切の費用(選考・授与費用は毎年10億円以上)の支出が任務になります。ただし、賞の選考には関与しません。一方、財団の業務運営は、おもに、「ノーベル・シンポジウム」という国際学術シンポジウムの開催、「レ・プリ・ノーベル」(白地に赤で題名を刷り込み、年号を入れたデザインの表紙)という毎年1巻刊行されるノーベル賞の公式記録の出版などです。ちなみに、各賞の選考は、それぞれ賞の選考を担当する諸機関(アカデミーなど)が行います。 |
| (2).運用について |
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財団は、株取引のためのコンサルタントを主要各国に置き、理事が個人資格で外国の証券会社の役員になるなどして運用に励んでいます。寄付の申し出はたくさんあるが、政府や公的機関からの寄付は一切受けず、民間からの寄付も厳選する。 この財団の創設者がラグナール・ソールマン氏で、もともとノーベルの右腕的存在であり、ノーベルを尊敬していた彼は、困難であった賞の法的実現、遺産の回収、財産管理に受賞機関の設立と、課題をこなしていきました。彼の存在なしにノーベル賞は成立し得なかったといえます。のちにノーベル財団専務理事も勤めていました。戦後まもなく彼は亡くなったが、彼の著したノーベルの伝記は、第一級資料であると言われ今でもノーベルについて書かれた本の中で最高峰の物となっています。 |