**シルクロードが運ぶもの



 「チャランポラン」という言葉、今ではそう頻繁に使わないような気もしますが…、ご存知ですよね?几帳面でなかったり、だらだらしているような人をさす意味の言葉ですね。さて、このチャランポランという言葉、一体どうしてこんな意味になっているのでしょう?馬鹿だとか阿呆なんて、今ではカタカナで書くような言葉だったりしますが、きちんとこうして漢字がありますね。しかし、チャランポランはどうしても漢字は連想できそうにありません。とすれば、外来語でしょうが、しかし英語ではなさそうです…。
 結論から言うと、この「チャランポラン」という言葉の起源は、イランにあります。「チャランデパランデ」、というのがイランでのチャランポランにあたる言葉なのですが、意味はまったく同じで、怠惰な人などを軽蔑の意味を含めて指すものです。日本と同じように、「あの人はチャランデパランデだ」というような使い方をします。いえ、性格には日本がイランと同じようにチャランポランを使っているのですが…。
 どのようにしてチャランデポランデは、チャランポランになったのでしょう?イラン−日本間という遠い距離を隔てて。
 その答えは、シルクロードにあります。このチャランデポランデという言葉はシルクロードを伝わって、間に中国の長安を渡り、朝鮮半島などを経て、この日本に伝わってきたのです。中東から大陸の端の島国日本へ、アジアユーラシア大陸を二つに割った距離を、チャランデポランデはシルクロードに乗って絹などと一緒に遥かな旅をしてきたというわけですね。

 シルクロードは、物資などだけでなく、言葉も運んだルートといえるでしょう。

まわたり