「箸」には神様が住んでいる!?

日本の食卓に欠(か)かせない「箸(はし)」。
棒状(ぼうじょう)の器具で、2本1組で使われます。
日本人が「箸(はし)」を使い出したのは、7世紀ごろに仏教(ぶっきょう)の食事作法(しょくじさほう)として中国から入ってきたそうです。中国で「箸(はし)」が誕生したのは、吸い物(すいもの)の中身を取り上げるためだそうです。

日本に「箸(はし)」が伝来するまでは「匙(さじ)」が一般的に使われていました。また「箸(はし)」が入ってきた後も、匙(さじ)と併用(へいよう)していたようです。
「箸(はし)」を使うのは、日本、中国、朝鮮半島(ちょうせんはんとう)、台湾(たいわん)、ベトナムなどの東アジアですが、日本以外は「箸(はし)」と「匙(さじ)」を併用しています。

また「箸(はし)」の形は中国と日本でちょっと違います。日本人が一般的に使っている、先端(せんたん)に向って細くなっている箸(はし)は「片口箸(かたぐちばし)」と言います。つまり片方(細くなっている方)のみを使う箸(はし)です。それに対して中国・韓国などの箸(はし)は両口箸(りょうぐちばし)と言って、両方とも使える箸(はし)です。 ちなみにどうして日本人が「片口箸(かたぐちばし)」を使う必要があったのかと言いますと、肉食中心の中国などと違い、魚肉が中心の食事だったために、細かく骨を取り除(のぞ)いたりするのに必要だったのだと思われます。

「ピンセット型の箸(はし)」は神事(しんじ)に使われたり、「箸(はし)」には魂(たましい)が宿(やど)ると考えられていたため、野外(やがい)の食事で使った箸(はし)は折って捨(す)てないと、その人に災(わざわ)いが降りかかるという伝承(でんしょう)もあります。

最近でも箸(はし)の材料としては木材が主流ですが、他にも金属やプラスチック製のものも増え、野外に使った場合も使い捨てなどにはしないことが増えましたね。

「箸(はし)」を置くものとして「箸置(はしおき)」がありますが、もとは神に捧(ささ)げる食べ物をとる箸(はし)が穢(けが)れないように使われたものと言われています。一般的に使われるようになったのは、明治時代(めいじじだい)に一つの食卓を数人で囲(かこ)むようになり、とくに客に対して箸(はし)に汚れをつけないようにするためだといわれています。
現在の日本の箸
現在の日本の箸

中国・韓国で使われている箸
中国・韓国で使われている箸

ヒトコトメモ&カンソウ[担当:マチコ]

今でも日常生活に必要な箸ですが、確かに中華料理店に行くと箸の形は違いますね。最近では正しく箸を持てない子どもも増えているようですが、箸は最先端機器のアイディアにもなるほど優れた道具ですから、きちんと受け継いでいきたいですね。
マチコ

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