夏の風物詩「団扇」は働き者!!

浴衣(ゆかた)に風鈴(ふうりん)に「団扇(うちわ)」。夏の風物詩(ふうぶつし)となっている団扇(うちわ)がこんなに普及(ふきゅう)したのはいつ頃からでしょうか。
団扇(うちわ)はもともと中国から日本に伝わったもので、古代は貴族や、女性が涼(すず)しい風を送るために使ったり、虫をよけたりするのに使われていました。
しかし、平安時代に扇子(せんす)の発達にともなって、団扇(うちわ)は廃(すた)れていってしまいました。そんな団扇(うちわ)が再び登場してくるのが、江戸時代です。江戸時代の庶民(しょみん)の生活向上にともなって、手軽な団扇(うちわ)が再び見直され使われ出したのです。 江戸時代からは、紙・絹(きぬ)などのなどの素材から、様々な美しい柄(がら)の団扇(うちわ)が作られました。

また、団扇(うちわ)の活躍(かつやく)のは主に台所でした。団扇(うちわ)が台所道具となったのも江戸時代からです。
特に「渋団扇(しぶうちわ)」という代表的な団扇(うちわ)は一方向に強い風が出やすいので、かまど、七輪(しちりん)などの火をおこすのに使われました。
近世ではガスコンロが使われ始めますが、台数が少なかったりなどして七輪(しちりん)もあわせて使っていたため、団扇(うちわ)の存在は必要不可欠でした。
現在ではガスコンロは一般家庭に広く行き渡っているので、火を起こすという使い道はほとんどありませんが、鮨飯(すしめし)をさましたり、弁当をさましたりするのに、使われている事もあります。

最近の団扇(うちわ)はプラスチック製で、柄(がら)なども印刷技術の発達により工夫が出きるようになったため、大量生産を行うようになりました。また形も丸だったり、大きさが小型だったりと、その形状を変えてはいますが、いまだに団扇(うちわ)の人気は根強く、街頭で企業の宣伝にしたり、いろいろなイベント会場でグッツとして配られたりと用途が更に広がってきています。
渋団扇
渋団扇

ヒトコトメモ&カンソウ[担当:マチコ]
エアコン・扇風機(せんぷうき)と、冷房器具はどんどん増えてきていますが、冷房機能としては劣(おと)る「団扇(うちわ)」の人気が衰えないのがすごいですね。いろいろなブランドからも工夫された団扇(うちわ)が出るなど、実用的な部分の他に、持っておきたい小物としての人気が日本人の中にあるのがわかります。
マチコ

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