去勢不安と前エディプスコンプレックス

フロイトは男女の発達過程においての心理的発達を、主に女性にスポットをあてて研究しました。
まず、幼児の段階では、また男女の差に気付きません。しかし3歳〜4歳ぐらいになると性の違いに気付き、一番身近な異性である母親か父親に性的な関心を持ち、その人と仲良くする自分の同姓の親に対して嫉妬します。この時、男の子の場合は、「去勢不安」といって、同姓の親、つまり父親に対して嫉妬や抵抗する感情を持つことへの罪悪感などを感じます。



これらを、フロイトはまた「エディプスコンプレックス」の時期と考え、これは6歳頃まで続きます。 (エディプスコンプレックス参照)

しかしエディプスコンプレックスの時期より前に「前エディプスコンプレックス」の時期があります。
これはまだ男女の違いに気付かない幼児の頃、愛してくれ、お乳を与えてくれた母親に対して抱くものです。
同時に次の子が生まれたりすると、自分が今までのようにかまってもらえなくなり、嫉妬することもあります。その後、先ほど述べたエディプス期になると男の子はそのまま母親に関心を持ちますが、女の子は男女の違いに気付いたために、相手が異性へと変わります。そのため女の子の場合は男の子よりも感情が複雑で、明確化されにくいものです。