タイに留学中の17歳
北島菜月さん (2/2)


タイのボランティア活動の状況について教えてください

 タイでは未だに貧富の差が日本よりずっと激しい状況です。よって一般の人でボランティアをしている人は実は少ないのではないかと思います。自分の生活だけで必死、という人がたくさんいますから。
 でも逆にある程度裕福な家庭の子供が行くような学校(私立やインターナショナル)ではボランティア活動を実施しているので、主に教育機関がボランティアに熱心なのだと思います。日本では一般の方々もたくさんボランティアに参加されていますが、学校での普及率はタイでの方が高いかもしれません。

北島さんが活動されたボランティアについて教えてください

 一番長く続けたのは、プーケット市内にある日本の文部科学省によって運営されている在タイ日本人の子供たちのための日本語補習校のお手伝いでした。主なお仕事は事務と3年生の国語のクラスの指導だったのですが、日本語とタイ語を何の不自由もなく操る子供たちを教えることはとても楽しく、私もたくさん勉強できることがありました。
 また、Life Home Projectというタイで孤児やHIV保持者のための活動しているボランティア団体と提携している私の学校では年度末にLHPのための寄付金をなんらかのかたちで生徒に集めさせる行事があります。
 他にもPAWS(動物保護団体)、Prison School(親が罪を犯し、刑務所で刑期を終えるまでの間子供たちを保護する機関)、Saturday Club(学校の近くに住む貧しい子供たちを集めて土曜日に英語でアクティヴィティをする)、Beach Safety(ビーチを訪れる観光客の安全を守るチーム)など様々なボランティア活動を学校側が提供しています。

日本の学生に一言お願いします

 日本って私はとても閉鎖的な国だと思うんです。日本に住んでいて国際的なことに目を向けるのって簡単に出来ることじゃないですよね。日本でも出来ることはたくさんあると思いますが、もしも一度でも海外に出たいと思ったら1週間でもいいので行ってみるべきだと思います。絶対にいい経験になりますよ!

「私たちにできること」は何だと思いますか?

 まずは「知ること」。国際協力は出来る、出来ないではなくその前に現状を知ることからはじめられると思います。日本という恵まれた国に住んでいる人たちにはとても想像できないようなことが起こっているのを、出来ることなら現地に行って目の当たりにすること。もちろんそれはとても大変なことなので、それが出来ないのならインターネットやその他様々な手段を使って調べる。
 そうして知った後に、直接ボランティアとして彼らのお手伝いをすることはとても素晴らしいことですが、重労働でもあり、また精神的にもとても辛いことだと思います。今は遠くはなれた日本にいてもたとえば募金などで海外のボランティアに参加することも可能です。ほんの少しのお金でも彼らは感謝してくれますし、また私たち日本人に興味も持ってくれます。
 出来ることは自分で作ることも出来るのではないかと思います。私のようにホームページの隅っこにちょっとバナーを張るだけでも見てくれる人がいます。What We Can Do!のように他の人に知ってもらうためにホームページを作ることも出来ます。とにかく積極的に動くこと。国際協力の機会が向こうから来ることはありません。機会は自分で作りましょう!

(2004年4月)

 北島さんありがとうございました。これからもタイで様々な経験をしていってください!

 インタビューに戻る トップに戻る