ここでは、北京市にある「月壇中学校」を例にして紹介します。

<学校について>
・月壇中学校は、日本でいうと中高一貫校にあたり、六年制の公立校で756人の生徒と110人の先生がいます。
・毎週土・日曜日が休みの週五日制で、一年度は日本のように三学期制ではなく二学期制です。
・夏休みは七月中旬〜八月末までで、冬休みは旧正月(春節:一又は二月)の前後四週間あります。
・この学校は中国で唯一日本語が必修科目になっています。週四時間日本語の授業があり、ここで働く日本語教師11人のほとんどが日本に留学したり研修で滞在した経験があります。
・月壇中学はトップクラスの進学校で大学進学率はほぼ100%です。中国全体の大学進学率が28.9%(ちなみに高校進学率は44.1%)だということを考えるとそのすごさが実感できます。

<学校生活について>
・月壇中学校は宿題が多く、生徒は放課後や休日は勉強に追われ、試験前は徹夜する事もしばしばだそうです。
・クラブ活動は高校二年になるとやめ、高校三年ともなると勉強が忙しくなり、スポーツなどをするのも昼休みだけになるそうです。
・なんと中国では「塾」は国に禁止されているそうです。

<日本との交流>
・ここは日本の学校との交流も盛んで、1994年には日本から5000人以上の生徒がこの中学を訪問し、ホームステイなどで交流を深めました。また、月壇中学校からも1988年以降延べ約100人の生徒が日本を訪れています。

<中国の中高生>
・生徒の間で流行っていることは、男子はサッカーやバスケットボール、卓球などのスポーツで、女子は香港や台湾のアイドル歌手が人気となっています。他にはファミコンや「らんま1/2」「ラッシュ」「ドラえもん」などの日本のマンガも人気で、歌手では酒井法子やチャゲ&飛鳥をよく聞くそうです。
・ここでは、体操着のような制服があり、国旗掲揚のある月曜日だけ着用していましたが、1995年から北京市教育局によって制服の導入が決まり、この中学でも制服の導入が決まったそうです。

<中国の中高生と日本>
・中国の中高生は日本に対して経済大国というイメージが強いようですが、マスコミの報道によって阪神大震災や地下鉄サリン事件などに興味が集中しているそうです。また、日本の総理大臣の名前は皆知っていました。そして、日本を訪問したことのある生徒は町並みや建物が美しいという印象を持っているそうです。