☆遺伝子治療の考え方☆
最近の目覚しいゲノム解析の結果によって、遺伝子の原因のある病気がわかってきたんだ。
そこで、『病気の原因となっている遺伝子の変化を調べ、 その遺伝子の正常なものを人工的
に作り、 外部から細胞内に補充して細胞本来の機能を回復させる』というのが遺伝子治療の
考え方なんだ。
現在、行われている遺伝子治療の方法は、ベクターという薬のカプセルに相当する遺伝子の
運び屋を使うよ。
(3/27 ヒロユキ様よりご質問いただきました)
しかし、現在はいくつかの問題点もあるよ。
@正常な遺伝子を送り込むだけで、病気の原因となっている変化している遺伝子を取り除くことはできないこと。
A正常な遺伝子を染色体上の正しい遺伝子の並びの位置にいれるようなコントロールができないこと。
だから、ほかの大事な遺伝子の途中に入っちゃって、 その遺伝子を分断してしまうことも考えられるん
だ。
B ベクターとして用いるウイルスが感染することによって細胞の増殖や成長をコントロールする遺伝子を
活発にはたらかせはじめ、 がん化をまねく可能性もあるんだ。
だけど、今のところは、治療上のメリットを上回るような副作用は見られていないんだよ。