52番
出典:「後拾遺集」より
明
あ
けぬれば
暮
く
るるものとは
知
し
りながら
なほ
恨
うら
めしき
朝
あさ
ぼらけかな
藤原道信朝臣
ふじわらのみちのぶあそん
■口語訳
夜が明ければやがて日が暮れ、そしてあなたに会えるとわかっていてもやはりあなたと別れる夜明けは、うらめしく思うよ。
■作られたワケ
この歌は、妻か恋人に送ったものです。この時代の貴族は、妻や恋人と別れて家に帰ってすぐ、手紙に歌をそえて 女性のもとに送る習慣がありました。
■作者のプロフィール
藤原道信朝臣(972〜994)
藤原道信朝臣は、謙徳公(けんとくこう)の孫で、藤原実方(ふじわらのさねかた)の友人でした。わずか23歳で亡くなりました。