62番
出典:「後拾遺集」より
夜
よ
をこめて とりの
空音
そらね
は はかるとも
よに
逢坂
あふさか
の
関
せき
はゆるさじ
清少納言
せいしょうなごん
■口語訳
夜の明けないうちに、鶏の鳴き声をまねてだまそうとしても、あの中国の 函谷関(かんこくかん)なら通れるだろうけど、この逢坂(おおさか)の関は、決して開きませんよ。私 はあなたに会いはしません。
■作られたワケ
函谷関は中国にある国境の関所で、一番鶏の鳴き声を合図に門を開けてい ました。この歌は、その故事をひいた歌です。
■作者のプロフィール
清少納言(?〜?)
清少納言は、清原元輔(きよはらのもとすけ)の娘です。少女の頃から父について和歌や漢文を学び、才女として 成長しました。一条天皇の皇后定子に仕えながら、日本の随筆文学を代表する「枕草子」を書きました。