65番
出典:「後拾遺集」より
恨
うら
みわび ほさぬ
袖
そで
だに あるものを
恋
こひ
に
朽
く
ちなむ
名
な
こそ
惜
を
しけれ
相模
さがみ
■口語訳
あなたの冷たさを恨み、悲しい思いで流す涙で、かわくひま もない袖でさえ、こうして朽ちもせずに残っているのに。こ の恋のために、つまらないうわさをたてられ、私の評判がすっかりだめになってしまうとは、なんとも口惜しいことです。
■作られたワケ
宮中で歌合(うたあわせ)があった時、この歌を出して、大変に評判になったそうです。
■作者のプロフィール
相模(?〜?)
相模は、相模守大江公資と結婚しましたが、後に離婚して、一条天皇の皇女につかえました。