66番
出典:「金葉集」より
もろともに あはれと
思
おも
へ
山桜
やまざくら
花
はな
よりほかに
知
し
る
人
ひと
もなし
前大僧正行尊
さきのだいそうじょうぎょうそん
■口語訳
私がおまえを懐かしく思うように、おまえも私を懐かしいと 思っておくれ、山桜よ。
こんな山奥では、桜の花のおまえの 他には、私の心を知る人は誰もいないのだ。
■作られたワケ
この歌は、和歌山県の大峰山で修行していた時の、実際の経験で詠んだものです。
■作者のプロフィール
前大僧正行尊(1055〜1135)
前大僧正行尊は、天皇の血をひいていましたが、早くから僧となって修行にはげみました。