69番
出典:「後拾遺集」より
嵐吹
あらしふ
く
三室
みむろ
の
山
やま
の
紅葉葉
もみぢば
は
竜田
たつた
の
川
かわ
の
錦
にしき
なりけり
能因法師
のういんほうし
■口語訳
激しい嵐がふきちらした、三室の山の紅葉の葉が、龍田川 に一面にちりしいて、まるで、錦の織物のように美しいこ とだ。
■作られたワケ
宮中で歌合せがありましたが、能因法師は全然思いつきません。
その時に、昔行った 竜田川のことを思い出してこの歌を作りました。
■作者のプロフィール
能因法師(988〜?)
能因法師は、三十のころ出家し、今の兵庫県や大阪府のあたりを中心に生活しました。
その歌が注目され、宮中の歌合せにも出席しています。三室山は、奈良県にある紅葉の名所です。