73番
出典:「後拾遺集」より
高砂
たかさご
の
尾
を
の
上
へ
の
桜
さくら
咲
さ
きにけり
外山
とやま
のかすみ
立
た
たずもあらなむ
前中納言匡房
さきのちゅなごんまさふさ
■口語訳
高い山の峰の上にも、桜が咲いたなあ。
手前の、人里近い 山の霞よ、どうか立たないでおくれ。
あの美しい山桜がかくれ ないようにしておくれ。
■作られたワケ
ある年の春、内大臣の
藤原氏師通
ふじわらのもろのぶ
屋敷で花見の宴が開かれ、その時に作ったものです。
■作者のプロフィール
前中納言匡房(1041〜1111)
前中納言匡房の姓は大江で、赤染衛門のひ孫です。学問に優れた文化人として活躍しました。 高砂は地名とも考えられますが、ここでは高い山の意味にとりました。