78番
出典:「金葉集」より
淡路島
あはぢしま
通
かよ
ふ
千鳥
ちどり
の
鳴
な
く
声
こゑ
に
幾夜寝
いくよね
ざめぬ
須磨
すま
の
関守
せきもり
源兼昌
みなもとのかねまさ
■口語訳
淡路島から通ってくる千鳥の、悲しげに鳴く声に、いく夜目 を覚ましたことだろうか。この須磨の関の番人は。
■作られたワケ
この歌は、須磨(現在の兵庫県)で寂しくくらしたという、「源氏物語」の主人公の光源氏の気持ちになって詠んだものです。
■作者のプロフィール
源兼昌(?〜?)
源兼昌は、歌人として歌合によく出席しました。淡路島は、須磨と海峡をへだてた所にあります。