80番
出典:「千載集」より
長
なが
からむ
心
こころ
も
知
し
らず
黒髪
くろかみ
の
乱
みだ
れて
今朝
けさ
は
物
もの
をこそ
思
おも
へ
待賢門院堀河
たいけんもんいんのほりかわ
■口語訳
あなたの愛が長く続くかどうかあなたの心もわからず、別 れた今朝は、私の黒髪が乱れているように心も乱れて、物 思いに沈んでいます。
■作られたワケ
待賢門院堀河には、かたく愛を誓いあった人がいました。 しかし、いつまでも人の気持ちが変わらずにいるものだ ろうかと思い、この歌を作りました。
■作者のプロフィール
待賢門院堀河(?〜?)
待賢門院堀河は、
崇徳院
すとくいん
の母の待賢門院彰子につかえていましたが、院の 出家とともに尼になりました。神官の
源顕仲
みなもとのあきなか
の娘で、その一族に は、歌人が大勢いました。