96番
出典:「新勅撰集」より
花
はな
さそふ
嵐
あらし
の
庭
には
の
雪
ゆき
ならで
ふりゆくものは
我
わ
が
身
み
なりけり
入道前太政大臣
にゅうどうさきのだいじょうだいじん
■口語訳
桜の花が散るのをさそうように嵐の吹く庭は、「降りゆく」ように花吹雪が 舞っている。だが、「古りゆく」のは桜の花ではなく、本当はこの年老いた 私なのだなあ。
■作られたワケ
京都北山に西園寺という豪華な山荘を建てているとき、公経は、自分の老いを感じていました。その時に作った歌です。
■作者のプロフィール
入道前太政大臣(1171〜1244)
入道前太政大臣は、
藤原公経
ふじわらのきんつね
のことです。鎌倉幕府と親しい関係にあったことから、一族の勢力を大きく しました。京都の北山に西園寺という、豪華な山荘を建てて住んだことから、子孫は、西園寺と名のりました。