99番
出典:「続後撰集」より
人
ひと
を
惜
を
し
人
ひと
も
恨
うら
めし
味気
あぢき
なく
世
よ
を
思
おも
ふゆゑに もの
思
おも
ふ
身
み
は
後鳥羽院
ごとばいん
■口語訳
思い通りにならないこの世の中を、つまらないなあと思うも のだから、あるときは人をいとおしく思ったり、また別のと きは人を恨めしく思ったりしてしまうのだよ。この私は。
■作られたワケ
後鳥羽上皇は、幕府を倒そうとしましたが、戦に敗れました。そして隠岐島に流され た時、10年前に作った歌を思い出したのがこの歌です。
■作者のプロフィール
後鳥羽院(1180〜1239)
高倉天皇の第四皇子。1221年の承久の乱で鎌倉方に敗れて隠岐島(島根県)に流され、その地で 亡くなりました。
宮中に和歌所をおき、定家らに「新古今集」を選集させました。