食品添加物について
 
○食品添加物とはなんぞや
食品添加物とは、味付けや保存性を高めるために、食べ物の中に入れる薬品類のことです。

日本の食品衛生法では「食品添加物とは、食品の製造の過程において又は食品の加工若しくは保存の目的で、食品に添加、混和、浸潤その他の方法によって使用するものをいう」と定義され、現在では食品添加物に1000種類以上が登録されています。

ここでポンイントなのが、食品を美味しく食べるのに必要不可欠だという点。
保存料が入っていないと食中毒が増え、香料が入っていないと味が素っ気ないものになり、色素が入っていないと食卓に並ぶのは褐色や黒っぽいものが多くなります。


○何が悪で、何が善か。
よく、〜は発ガン性があるから危険だ、だから添加物の出来るだけ少ないものを買おう、という話を聞きますが、そこまで単純に考えることは出来ません。

合成されたものを嫌いますが、科学的に見ると、天然も合成も同じこと。どっちも分子の集合体なわけで、合成のものだけが悪とは決めつけることはできません。

それに合成でも良いものも悪いものもあるのです。
たとえばお酢に含まれている酢酸、レモンに含まれているクエン酸、昆布に含まれているアルギン酸も食品添加物。 光学異性体もなく、科学的には完全に同じ物質とされているので、絶対に安全です。

逆に天然のものでも危険なものもあります。たとえばサカナの焦げ。この中にはジメチルアミンという発ガン物質が含まれています。サカナの消費量の多い日本とチリで胃ガン発生率が極端に多いのはこのせいではないか、ともいわれています。

食品添加物は基本的に国が科学的根拠に基づいて安全性を保証しているのですから、控えるにこしたことはありませんが、それほど神経質にならなくても良いと思います。


○比較的悪なもの。


ちなみに比較的危なく、良く使われている添加物に、赤色104、5、6号や緑色3号などの合成色素系があります。これは動物実験では発ガン性があると認められ、欧米各国で使われていないほか、安息香酸、ソルビン酸、亜硝酸ナトリウム、グルタミン酸などの薬品にも発ガンせいの「おそれ」があるとされています。


○添加物の種類


添加物を使用用途別にわけると、だいたい下の表のようになります。
酸味料、乳化剤、香料などは一括名表示といい、使用してる物質名を書かなくても良くなっています。
またショ糖脂肪酸エステルが乳化作用以外に、粘度調製、食感改良、抗菌作用、冷凍変性防止作用などがあるように、枠組みを超えて使われているものもあります。(表示は一括名)

効果 主な物質 需要量 シェア
酸味料 酸味をつける クエン酸、酒石酸 52400トン 1.7%
甘味料 甘味をつける 果糖ブドウ糖液糖 2399865トン 77.3%
保存料 酸化防止剤 保存性、品質を高める 安息香酸、エタノール ビタミンC 107557トン 3.5%
食用色素 色をつける クチナシ色素、赤色3号 21460トン 0.7%
乳化剤 油と水を混ぜ合わす ショ糖脂肪酸エステル 25380トン 0.8%
増粘剤 粘り気をつける アルギン酸、ペクチン 23130トン 0.7%
調味料 うまみをつける アミノ酸、グルタミン酸 240500トン 7.7%
香料 香りをつける バニリン、酢酸エチル 47762トン 1.5%
香辛料 辛みをつける 41563トン 1.3%
その他 146612トン 4.7%
合計 3106229トン

(需要量は食品化学新聞社調べ)


○こんなところでも


ちなみに砂糖や缶詰めのミカン、サイダー、塩、油など何ともない食べ物にも、おもわぬ添加物が添加されています。

砂糖の製造過程にはリン酸三ナトリウム、亜硫酸ナトリウムなどの添加物が精製用に添加され、その後別の反応をおこしたりして完全に除去しています。

缶詰めのみかんは塩酸と水酸化ナトリウム、サイダーは水酸化カルシウム、水酸化銅などを製造過程で使い、その後除去しています。

これらを製造用剤(キャリーオーバー)といい、出荷される製品にはほぼ残っていないので原料名には書くことは免除されていますが、こんなところにも化学薬品は使われているんだなーという参考程度に。

無添加表示の加工食品も最近は多くみかけますが、製造過程のどこかしらで添加物を使っている可能性が高い、ということです。  食品添加物協会は「表示は好ましくない」との見解を出しています。






作成元 GLORY HOLE http://contest2.thinkquest.jp/tqj2003/60532/