ろうそくをつくろう。
マテリアル
油(廃油) 80cc
廃油凝固剤 15g
たこ糸・ティッシュ 適量
紙コップ 1コ
注意
この実験では油を使います。
・「油に水を注ぐ」とことわざがあるように、水が入らないよう慎重にして下さい。 やけどの原因になります。
・量が少ないため、意外と温度が早く上がります。過度に高温にしすぎないよう注意して下さい。
・廃油凝固剤のために温めた油を忘れて火事に・・という事件が多くおきています。 絶対にその場を離れないで下さい。
・万が一発火した時は、水を使わず消化器を使用して下さい。
Let's Try!
○その1 (下準備)
ティッシュをねじり、その周りをたこ糸で巻き止めます。 出来るだけ堅めにするのがポイント。
○その2
油を80℃まで熱します。
○その3
廃油凝固剤を入れます。
この量を増減することにより、透明度や固さを変えることができます。
○その4
1で作ったろうそくの芯を紙コップに入れ、割り箸で中心にくるよう固定します。
そして油を注ぎ入れます。
○その5
1時間ほど冷やし、固まったら紙コップをゆすると簡単にはずすことができます。 最後にろうそくの芯を適度な長さに切って完成です。
Level Up!
クレヨンを削ったものを入れると、好きな色を付けることができます。
また100円均一などで売っているアルマオイルを添加すると、香りを楽しむこともできます。
ただし廃油を使っているため、市販ほどきれいに出来ません。 無添加の自然な良さを楽しむほうがいい気もします。
*クレヨンや香料には成分によって有毒ガスの発生、おもわぬ発火の恐れなどもあります。 入れるときは慎重にお願いします。
ちなみにろうそくの芯は長さではなく、太いほど炎が大きくなります。 たこ糸1本だけの場合、炎が小さいためここではティッシュも併用しましたが、ススが出やすいという欠点もあります。 時間がゆるせばたこ糸を3〜4本巻いた物を芯にするとさらにいい感じになるでしょう。
Explain 〜廃油凝固剤
廃油凝固剤油を入れると、右図のように油を閉じこめるような構造が出来ます。
そのために固まったように見えますが、科学的には「ゲル」という状態です。 同じゲルには、ゼリーや寒天、豆腐などがあります。 (詳しくは高校化学で習います)
油自身の状態が化学的に変化はしてないため、火をつけると構造が崩れ、再び油が液状になるためろうそくとして使うことができます。(*1)
現在のろうそくは、パラフィンとステアリン酸で合成して出来たものが主流になっています。 しかし歴史的にみればこれは19世紀に入ってからのことで、それまではミツバチの巣から作った「蜜ろう」や、動物の脂から作った「獣脂ろう」が主流でした。 これらは紀元前には、もう使われていたそうです。
そういう見方をすれば、ここで作ったろうそくは昔のろうそくである、と言えるかもしれませんね。
(*1)別の説明もできる。廃油凝固剤自身が融点の高い油である。(つまり牛脂など) それを融点の低い油(つまり廃油)に入れると、融点の高い油をまきこみ、全体の融点が下がり、常温でも固体になるのだ。
作成元 GLORY HOLE http://contest2.thinkquest.jp/tqj2003/60532/