ダイオキシン


ダイオキシンとは、「ポリ・クロロ・ジ・ベンゾ・パラ・ジ・オキシン」という物質のことです。
これと似たような性質を示すものに、「ポリ・クロロ・ジ・ベンゾ・フラン」があります。
この2つを合わせてダイオキシン類、あるいはダイオキシンと呼んでいます。
また、専門家は、働きや毒性がダイオキシンとほぼ同じである、「コプラナーPCB(ポリ・クロロ・ビ・フェニル)」についてもダイオキシンに含めるべきだと主張しています。
ダイオキシン類(合計223種類)で最も毒性が強いのは、「2、3、7、8−テトラ・クロロ・ジ・ベンゾ・パラ・ジ・オキシン」です。


日本は世界で一番ダイオキシンに汚染されている国です。
ダイオキシンは一体どこから発生するのでしょうか?
ダイオキシンの80%から90%はごみの焼却施設から発生しています。
塩素が含まれているごみを燃やすとダイオキシンが発生してしまうのです。
さらに、魚などの食べ物にも含まれています。
ダイオキシンを大量に含んだ工場排水が、海に流れてしまうからです。


ダイオキシンは毒性が強く、発ガン性物質を持っています。
日本のお母さんの母乳に大量に含まれ、赤ちゃんのアトピーの原因にもなっています。
このままでは、乳がんになる人が増えると予想されています。


ダイオキシンは、世界でも深刻な問題となっています。
1960年にベトナム戦争では、ダイオキシンが含まれた「枯葉剤」がまかれました。
これにより、多くの奇形児が産まれました。
シャム双生児(体は1つなのに頭が2つある)のべトちゃん、ドクちゃんが有名です。
1976年7月10日には、イタリアのセベソで企業の作業ミスによって大量のダイオキシンがばらまかれました。
特に汚染がひどかった風下は、現在でも閉鎖されているところがあります。


それではどうすればいいのでしょうか?
環境庁はダイオキシン対策に関する5ヵ年計画を設定しています。
その内容は
 @発生源対策などの推進(ダイオキシンの発生源の実態をつかみ、対策方法を確立)
 A総合モニタリング調査(大気、水質、土壌など汚染状況の調査を行う)
 B調査研究(ダイオキシンの挙動把握に関する調査研究。大気環境と健康影響の関連についての疫学調査)
 C共通理解の促進(リスク・コミュニケーションを行う)
という4つのテーマが掲げられています。


そして、私たち一人一人取り組みによって改善されます。
ダイオキシン問題の解決策はごみ問題とほぼ同じです。
 @「リデュース」・・・廃品になっても再利用できるように製作設計をすることです。
 A「リユース」・・・ビンなどは洗って何度も使用できます。
 B「リサイクル」・・・使えなくなったものから別のものを作り出すことです。
ただし、同じリサイクルでもごみ焼却時の熱を発電に使うことは有効的ではありません。
他にも、
 ・ものはなるべく燃やさない
 ・プラスチック製のものは避ける
 ・子供のおもちゃは木製のものを選ぶ
 ・ものは大事にする
などがあります。
身近なところから始めてみましょう。



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