ヒートアイランド現象とは、等温線を描くと、都市部を中心に島のように見えるので、ヒートアイランド現象と名づけられました。そもそも、ヒートアイランド現象とは、都市部を中心に大量のエネルギーが消費されるのですが、都市の地面の大部分がコンクリートや、アスファルトに覆われているので、水分の蒸発による気温の低下が妨げられて、周辺部より気温が高くなってしまう現象のことをいいます。

 この現象は100年以上も前から報告されていて、世界中の多くの都市でも確かめられています。

 特に、夏では、家の中でクーラーを使う家庭がたくさん出てきます。クーラーは熱を外に排出されるので、外の気温が上昇し、それによって更に冷房のためのエネルギー消費を増大させるという悪循環を生み出してしまっています。時には、その温度差が5度以上になることもあります。この問題についての検討が必要です。

 その主な原因は、上にも書いたようにアスファルトが原因です。昼間の太陽の熱で地面の地価が高温となり、夜になると、蓄積された熱が放出されます。また都市は樹木が少ないので、樹木が吐き出す水蒸気の量が少ないのです。すると、地表から蒸発する素性気の量も少なくなって、熱が逃げないのです。
 
 また、都市の人口集中も燃料が消費される量が多いので、ヒートアイランド現象の原因のひとつです。
 

 図(上) ヒートアイランド現象の気温増加の図

 上に書いたことが悪循環となり、都市の温度は年々上がりつつあります。このままでは、30年後には東京の気温は40度を超える日も珍しくなくなると予測する学者もいます。
 
 また、熱中症の増加も増えてくると予想されています。天気への影響もあります。近年、大都市では、夏に局地的な雷雲が発生し、突発的な激しい雨が降って道路が浸水したりすることが多くなっています。この集中豪雨なども、ヒートアイランド現象が原因になっていると考えられています。

 対策としては、たくさん実施されているのですが、上に挙げた原因のどの要素も改善に向かっていません。
東京都は、観測データを増やすためにモニタリングの強化などを実地しています。