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脳のエネルギー源はブドウ糖だけ。
脳はどの臓器よりも多くのエネルギーを消費するにもかかわらず、そのエネルギー源となるのはブドウ糖だけ。たんぱく質や脂肪では補えません。しかも、脳に蓄積できるブドウ糖はほんのわずか。ごはんやパンに比べて消化吸収が速く、すぐに脳にエネルギーを供給できる「脳のごはん」は、砂糖なのです。
脳は1日120g・1時間5gものブドウ糖を消費する大食いの臓器です。
脳は、安静にしていても1日120g、1時間に5gものブドウ糖を消費する、驚くべき大食いの臓器です。しかも、少量しかブドウ糖を蓄積することができないので、常にエネルギーを補給しなければなりません。脳が消費するエネルギーを安定して供給するには、全身の血中ブドウ糖濃度を血液1dl当たり約100mgに保つ必要があります。
また、他の臓器ではたんぱく質や脂肪もエネルギーとなりますが、脳は血液・脳関門といわれる検問所で厳しいチェックを行い、エネルギー栄養素としてはブドウ糖以外のものを通しません。まさに、ブドウ糖は脳の活動を維持するのに重要な、唯一の栄養素なのです。
砂糖は、ごはんやパンなどの成分である
デンプンと比較すると構造が簡単。
消化吸収が速く、すぐにエネルギーになります。
■砂糖の構造
砂糖(二糖類)は小腸でブドウ糖と果糖に分解され、吸収される。
■デンプンの構造
ごはんやパンなどの成分であるデンプン(多糖類)は、口や胃などの消化器官中で部分的にデキストリンや麦芽糖(二糖類)に分解される。さらに小腸に移動すると、徐々にブドウ糖に分解され、吸収される。
脳にすばやくエネルギーを送る、「砂糖は脳のごはん」なのです。
脳が緊急にブドウ糖を必要とするとき、もっとも頼りになるのが砂糖です。食べ物として摂取された砂糖は、小腸で消化吸収され、その後数10秒で血液中に現れます。砂糖は、ごはんやパンに比べて吸収が速く、失われたエネルギーをすばやく回復させる速効性のエネルギー源なのです。
そのため、徹夜の試験勉強や長時間の会議に出る時には、甘いものを摂ると集中力が増して、頭がすっきりします。また、マラソンなどのエネルギー消費が多いスポーツで疲れきった時や糖尿病患者が急激に血糖値を下げすぎて昏睡状態に陥った時、砂糖水を飲ませたり、アメをなめさせるのは、砂糖が緊急なエネルギー補給にもっとも有効だからです。
砂糖は無駄のないエネルギー源!
砂糖はブドウ糖と果糖が結合したもので、小腸の上皮細胞にあるシュクラーゼという酵素によって、分解されます。ブドウ糖はすみやかに小腸の壁から吸収され、血管を通して全身にいきわたり、体や脳のエネルギーになります。そのうちの約25%は肝臓でグリコーゲンとして蓄えられ、必要な時にブドウ糖に戻ります。果糖も約10%がブドウ糖に変えられ、残りの90%は果糖のまま吸収されますが、最終的にはすべてエネルギーとして使われます。
このように、砂糖は子供からお年寄りまで年齢に関係なく、99%以上が生体を維持するエネルギー源として利用される、まったく無駄のない食品です
脳の重さは全体重のわずか2%。ところが、脳は全エネルギーの20%も消費しています。
脳の重さは体重の2%程度なのに、脳は1日に必要なエネルギーの20%に当たる約500キロカロリーを消費します。そのため、エネルギー不足による低血糖は、まっ先に脳の活動低下を招きます。血糖値が正常値の80%以下に下がると意識がなくなり、50%以下では、死に到る危険性もあります。脳にブドウ糖の供給が3分間ストップしたら、脳の活動は停止してしまうのです。
食事から摂ったブドウ糖は、食後4時間ほどしかもちません。夕食から時間のたっている朝は、体も脳も極端なエネルギー不足の状態。パンにジャムをつけるなど、朝食で砂糖を摂って、エネルギー補給することが大切です。
血糖値と記憶力に関連性はあるのか?
記憶力と砂糖の摂取には、どのような関連性があるのかを調べるため、以下の実験を行いました。
1. 約21歳の女性たちに、一晩絶食後、ブドウ糖を含有する飲み物を与え、記憶力及び認識能力に対する影響を調べた。個人差はあるものの、元々の血糖レベルが低い人は、飲料を飲んで血糖値が急速に上がると、記憶力がよくなった。
2. 朝食を食べたグループと朝食抜きのグループに分けて、ブドウ糖を与え、言葉に関するテストを行った。朝食抜きのグループでは、ブドウ糖を摂取した人のほうが頭の回転が速く、どんどん言葉が出てきた。(グラフ参照)

↑ブドウ糖負荷の言語記憶
Bentonら、J.Biosoc. Sci. 28;463-479, 1996
結論
これらの実験の結果から、血糖値の低い状態の人に砂糖などのブドウ糖を含む食物を与えると、記憶力が明らかに向上することが確認されました。