ちょっと離れたところの丘までやってきました。
母を埋葬しました。
墓標にはマタンプシを添えました。

葬儀が全て終わり帰り道のことです。
シノカントは、母との沢山の思い出をたどっていました。
父を助けるために、自分の取った薬草を用いたこと。
食事の作法や遊び方を教えてもらったこと。
思い出が尽きることはありません。

涙が出そうになりました。
何度も泣きそうになりながらも
母のために涙をぐっと堪え、寄り道もせずに帰りました。


その夜。
眠りにつくか、つかないか。
浅いまどろみの中。
シノカントは、あたたかい夢を見ました。






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