次は、ケプロン(1804〜85)という米国人で、1871年に来日し、北海道の開発を
担当していた「開拓使(かいたくし)」という役所の最高顧問として活躍した人です。
その「日誌」には

「造船学の面で、アイヌの人が作る漁船より美しいものとか、それを操る手練手際
(しゅれんてぎわ)にまさるものはとても考えられない。……いったい、無学なアイヌの
人たちが、……どうして、こんなに美しい舟が作れるのだろうか。」

「アイヌの人たちの、いろいろな珍しい習慣には驚く。多くの点で、北米のインディアンと
実に良く似ている。ただ一つの違いと言えば、いかなる点でも非常に優れた民族で、
インディアンのような、野蛮で残忍な性格は全然ない。」

「もって生まれた、実に巧まぬ気品がすべての動作に備わり、これは私の知る限り、かなり
進んだ国でも決して見ることはできない。」

「疑う余地もなく、この人たちは、文明社会のすべての良風にすぐ同化し、もちろん優れた
生来の資質によって、悪には強く立ち向かうものと私は信ずる。驚いたことには、攻撃的で
あろうが防御的であろうが、一切武器を持たない。」

などと書き記しています。

モドル