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学校保健と視力管理

■ 照明と視力表

 

視力表を貼るところは,

(1)室内のなるべく明るいところ(50ルクス以上)
(2)被検者との間に何の障害物もない壁の中央に,普通の人の目の高さになるようにとりつける。
(3)表面照度を300〜700ルクスにし,古くなったり紙の汚れた視力表は使わない。
(4)被検者の視野の中に,明るい窓や裸の光源がなく,できれば,窓は被検者の背後にあることが望まれる。
(5)天候の影響をさけるため,視力照明装置を使用することがあるが,この場合の蛍光灯は早目にとりかえること。
その他,遮へい器のあて方,遮へいした目を圧迫しないこと,ゆっくり視標を読みとること。指先などで視標をさすと汚れるため,適当な指示棒を使うこと。


■ 視力の書き方

 

右視力:R.V または Vd = 0.3

左視力:L.V または Vs = 0.3 と書きます。

(1)5mの距離で視標がわからないときは,視標の見える位置まで近づき,そこから視標までの距離を測り,その距離がxmとすれば,x/5×(見えた視標)となります。

つまり,2.5mで0.1の視標が見えたときは,

2.5/5×0.1=0.05となります。

(2)5mの視標で,1m近づいても0.1の視標が読めないときは,眼の前で検者の指の数をあてさせます。

 そして,30cmとすると,

 R.V=30cm/指数(弁)=30cm/F.Z.=30cm/n.d=30cm/f.C.

 等と書きます。

 (注)n.d(numerus'digitorum−ラテン語)

    f.C(finger counting−英語)

(3)指の数もわからないときは,眼前で手を動かします。

 その動きがわかれば,

 眼前手動弁またはR.V=v.d.A/H.B.=m.m.=f.m.等と書きます。

 (注)m.m(motus manus−ラテン語)

    f.m(finger movement−英語)

(4)手の動きもわからないときは,明暗がわかれば,明暗(弁)または光覚(弁),または

 R.V=L.S(+)=SiL(+)=S.l.

 と書きます。

 (注) L.S(Light Sence一英語〔光覚〕)

     s.l(sensus luminis−ラテン語)

(5)光もわからないときを,全盲または視力=0=光覚なし=S.L(−)と書きます。

(6)視力測定をした後いかなるレンズによっても矯正されないときは,( )の中にGl.b.n(眼鏡不応)または,n.c(矯正不能)と書きます。


■ 眼科の処方箋の読み方

 

+は凸レンズ

−は凹レンズ

処方箋としては,一般的には左図の書式になっています。医師法により,眼鎮を処方するのはすべて医師でなければなりません。特にはじめて眼鏡を作成する際は必ず眼科医に受診し,処方箋を発行してもらわねばなりません。

読み方としては 

 右眼.球面レンズ-1・50D.円柱レンズ

  -0.50D軸180゜方向

 左眼.球面レンズ-1.00D.円柱レンズ

  -0.75D軸180゜方向

  瞳孔距離58mm

(1)遠用・近用

遠くを見るために常にかけているメガネか,近くを見るための老眼鎮かを記入するための項目です。

(2)S球面

球面レンズの凹凸と,その度数を記入します。

(3)C乱視

円柱レンズ(乱視用レンズ)の凹凸と度数を記入します。

(4)

円柱レンズの軸の方向を記入します。

なお分度器のようなものに矢印の方向を記入します。

(5)プリズム

プリズムのメガネを必要とするときはプリズムの度数を記入します。

(6)基底

プリズムの基底の方向を記入します。

(7)瞳孔距離

左右の瞳孔間の距離をmmで記入します。P.D.とも表します。