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点字

■ 点字のはじまり

 

現在世界で広く使われている点字を考案したのはフランスのルイ・ブライユ(Louis Braille 1809-1852)という人です。1825年頃に6つの点の組み合わせによる点字を考え出しました。これはタテ3行×ヨコ2列=6点で構成され、その6点のどこが突起しているかの組み合わせで文字を表現するものです。
このブライユの考案した点字は1854年にフランスで正式に採用されました。そしてこの6点による点字の方式は各国の言語に合わせて改良され、世界に広がって行ったのです。


■ 日本の点字のはじまり

 

日本にこの点字が紹介されたのは明治13年(1880年)頃のことでした。しかしながらこの時の文字はアルファベットだったため、日本のかな文字を点字にする研究が進められました。その結果、明治23年(1890年)11月1日、東京盲唖(もうあ)学校の石川倉次(いしかわくらじ)という先生が考案した、かな文字の点字が日本の点字として採用されました。これもブライユの考案したものと同じタテ3行×ヨコ2列=6点で構成されています。なお、これ以降11月1日は「点字記念日」となっています。


■ 点字の事例紹介

 

ここでは現在使われている点字の例をちょっとだけ紹介します。まず先述したように点字はタテ3行×ヨコ2列=6点で構成されています。左上から縦に1の点、2の点、3の点、右上から縦に4の点、5の点、6の点と呼ばれ、6点を合わせて「マス」と呼んでいます。

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まず母音にあたる「あ行」の「あ・い・う・え・お」は1の点、2の点、4の点の突起の組み合わせで表現します。その組み合わせは下図の通りです。
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「か行」以降は母音と子音の組み合わせになります。「か行」「さ行」「た行」などを表す子音は3の点、5の点、6の点の突起の組み合わせで表現します。その子音と母音と合わせることにより文字を表現します。
下図は「か行」の例ですが、3の点、5の点は突起しておらず6の点だけが突起している組み合わせで「か行」の子音を表現しています。これに「あ行」にあたる1の点、2の点、4の点の母音を合わせをを加えて「か・き・く・け・こ」を表現しています。
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このようにして「さ行」「た行」と続きますが、中には上記例外の表現(「や行」、「わ行」、「ん」など)もあり、また濁音(例:が)、半濁音(例:ぱ)、拗音(例:ゃ)などは2マスを用いて表現する場合もあります。この他にも数字やアルファベット、長音、読点、句点なども含めて様々なルールによって点による文字が表現されているのです。