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■近視 |
はるか遠くを見るとき,つまり眼が全く調節していないとき(無調節状態)に,平行光線が網膜より前に像をむすぶものをいいます。 |
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■軸性近視 |
軸性近視とは,目の屈折力はほぼ正常で,眼軸が普通より長い場合をいいます。普通,眼軸が1mm長ければ屈折力は約3Dふえるといわれています。 |
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■近視度の分類 |
近視度の分類は4段階に分けられています。 (1)弱度近視 → −3D未満 (2)中等度近視 → −3D〜−6D未満 (3)強度近視 → −6D〜−10D未満 (4)最強度近視 → −10D以上 注)−(マイナス)とは近視の度数(ディオプター)を表す。遠視のときは+(プラス)となる。 |
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■近視の原因
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近視の原因としては,個体によって起こる内因的なものと,環境などの外因的なものが視雑に入り組み合って起こると考えられていますがいまだ定説はありません。 主な説としては, (1)屈折説 目を近づけていろいろなことをする(近業作業)ために,この状態に便利なように毛様体筋が動き,はじめは緊張していたものが,徐々にその状態があたり前のこと(器質化)になって、近視になってしまう説。 (2)眼軸説 眼軸が少しずつ長くなって,正視→軽い近視→中程度の近視という順になっていく説。 があります。その他,偏食や体質が弱いことによって起こるという説,砂糖をとりすぎると起こるという説,頭部が充血するような姿勢で目を酷使すると首の動脈が圧迫されて起こるという説,ストレス説その他いろいろあります。 |
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| ■偽近視の治療
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偽近視と診断された場合,眼科医は点眼療法や内服療法を行ないます。点眼療法としては,夜寝る前に1回だけ点眼するミドリンM,1日3〜5回点眼するミオピンがあります。このほか,0.5%ピロカルピン点眼薬,ビタミン剤があります。また,治療を受けていても,目を疲れさせないような生活を続けなければなりません(視力の管理参照)。 本来の意味での偽近視ではない場合は,この治療法を行なっても効果を期待できないのが実情です。1〜2カ月治療を続けても視力の改善がみられなければ,やはり適当なメガネを用いるべきです。 |
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■近視が治る手術
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近視の手術にはいくつかの方法があります。過去には、合併症を併発してかえって悪くなったり、失明したりした例も多かったので、眼科医の間では慎重な意見が多かったのですが、新しい術式の出現とその改良とともに徐々に見直されつつあります。 ただし,これらの手術をしても必ずしもメガネをかける必要がなくなり正視になるとは限りません。かえって過矯正になったり,矯正不足で近視が残ったりすることがあり、手術後しばらくたってから、近視がもどったり、逆に強い遠視や乱視がでてきたりすることもあります。また,強い近視の場合は完全に治すことはできません。どの方法でも、手術して数十年後にどうなるかは、まだ不明な点も多く、そのリスクは覚悟する必要があります。 また、「成長に伴い度数がかわっていく学童期〜青年期には絶対に手術をするべきではない」というのは、手術を積極的にすすめる立場の医師達にも共通した意見です。 (本項目の内容は原本から一部改定しています。) *近年は、 RK手術(radial keratotomy)1971〜 、エキシマレーザーによる PRK(photorefractive keratectomy)1988〜、LASIK(laser in-situ keratomileusis)1995〜、ICR(intra corneal ring)、Phakic IOL(眼内コンタクトレンズ) などがおこなわれるようになってきました。最新の PRK や LASIK では手術時の合併症も少なくなり、術後の成績も非常によいことから、急速に普及しつつあります。いまのところ、歴史も浅く、長期の安全性や予後などまだ不明な点も多いのですが、今後の成り行きが注目されています。 |
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■近視の予防法 |
近視には,はっきりした予防法はないといってもよいでしょう。だからといってそのまま放置しないで次のようなことを守って,近視にならないように努力する以外に方法はありません。 (1)すききらい(偏食)はせず,十分に食事をとる。 |
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