目の構造

■  現在、地球上にいるすべての生物のうち、約95%が目を持っています。生物が生きのびていくために、目は非常に有利な感覚器です。   目の正面から来る光は、始め 角膜 (かくまく) から進入し、 全房 (ぜんぼう)、 水晶体 (すいしょうたい)、 硝子体 (ガラスたい)、 を通り網膜へ至ります。
  この間全くの 無色透明 であり、光を遮るもの は何もありません。
又、光が目に進入すると、角膜と水晶体の 持つ強い屈折力によって、網膜上の 黄斑部 (おうはんぶ)で焦点が合う構造になっています。
  網膜上に写し出される像は、実際とは逆の映像となり、網膜から視神経を経て大脳へ届き、 逆さの像を修正して視覚としてとらえています。

 

1. 角膜
 黒目の部分にある透明な膜。いわば光を通す窓の部分。 外界と眼球の境界面にある、0.5mm程度の薄い、無色透明な膜 。


2. 強膜、結膜
 眼球のいちばん外側を覆っているのが強膜。その上とまぶたの裏側に、結膜という薄い透明な膜が張っている。 まぶたの裏にある薄い膜を結膜と呼んでいます。結膜から粘液が分泌され、涙腺(るいせん)から分泌する涙とともに結膜や角膜を潤し、細菌を洗い流している。
  この粘液が乾いて固まったものが「目やに」となります。

3. 瞳孔
 黒目の真ん中の「ひとみ」の部分。暗いところでは大きく、明るいところでは小さくなる。
4. 虹彩
 瞳孔を囲む放射線状の部分。縮んだり伸びたりすることで、瞳孔の大きさを変えて、目に入る光の量を調節している。 瞳の部分を虹彩と呼び、 カメラの絞りに該当する機能 を有します。そしてその中央が光を通
す為の窓となり「 瞳孔 (どうこう)」と呼ばれています。
  虹彩には メラニン色素 が含まれ、色素が多いと茶色に、少ないと青色の瞳となります。
又、メラニン色素は 紫外線を遮断する働き があります。

5. 水晶体
 目の中にある透明なレンズ。光を屈折させて、近くを見るときにピントを調節する役割がある。 無色透明 で 弾力性 があり、周りを囲む毛様体の伸縮により水晶体の 厚みを変えています 。
 水晶体の成分は、 たんぱく質33%、水66%、ミネラル1% 。

6. 網膜
 眼球のいちばん内側を覆っている薄い膜で、外の光がここに像を結ぶことで、ものが見える。

  眼球の内側に、硝子体を包む様に張り付いている薄い膜で、 カメラのフィルムに当たる機能
を有します。

  網膜上に写し出される像は、実際とは逆の映像となり、網膜から視神経を経て大脳へ届き、逆さの像を修正して視覚としてとらえています。
  網膜はさらに10層の薄い膜から出来ており、一番外側を「色素上皮」、残り9層を「神経上皮」と呼んでいます。
  色素上皮は、その外側にある脈絡膜から神経上皮へ栄養補給する役割を有しています。

【網膜の構造】

7. 黄斑部
 網膜の中心部にあり、神経の束が集中し、物を見るために最も重要な部分。

8. 毛様筋(毛様体筋)
 水晶体を支えている筋肉で、緩んだり縮んだりすることで、水晶体の厚みを変化させ、調節を行っている。

9. 視神経
 網膜に映し出された情報を脳に送る通り道。

10. 硝子体(しょうしたい)

 透明なゼリー状の組織で、目の形を保っている。