オゾン層とは、酸素分子と酸素原子の結合によってできたオゾンが
存在する上空25キロメートル周辺をさします。
このオゾン層は、人間だけでなく、他の生物や植物に有害な紫外線B波やC波をブロックする
働きをしてきました。
しかし、約20年ほど前、地球をとりまいているはずの、オゾン層に
南極上空で穴が開いたような状態が、観測されました。
これが、オゾンホールと呼ばれるものです。
オゾンホールは、その後、
徐々に拡大し、南極以外の場所でも発生したり、発生期間が長くなったり、してきています。
このようなオゾンの減少は、地上にどのような影響を及ぼしているのでしょうか。
南極においては、オゾンが、数パーセント減少した結果、紫外線量は、その倍の割合で
増えたといわれています。人間においては、有害な紫外線が20%増えると皮膚がんや白内障の
患者が40%増えると予想されています。また、有害な紫外線の影響を
受けて病気になるのは、人間ばかりではありません。
ほうれん草は、 たち枯れし、ナスには、病班があらわれます。1980年代からは、
西洋ヒキガエルなど 浅瀬に卵を産み付けるカエルの減少も報告されて
います。これは、卵が有害な紫外線B波によって壊され、オタマジャクシが
誕生しなくなってしまったためだといわれています。羊も、紫外線によって
失明しているといわれています。
現在、オゾンを破壊し、減少させている原因物質として考えられている
ものが、フロンです。
フロンとは、炭化水素の水素をフッ素や塩素で
置換した化合物の総称で冷媒、噴霧剤、洗浄剤に使われています。
このため、最近では、国際的にフロンを使用せず代替フロンに切り替える
方針が進められています。
しかし、この代替フロンもオゾンは壊さなく
ても、地球の温暖化の原因になる可能性もあり一概によい方法とも
いえません。また、いくらフロンを規制しても 現在壊れてしまっている
オゾンを元の状態に戻すことは不可能に近いのです。