<ギリシャ>
天の猟夫


オリオンは美しい猟夫で、海の上をも自由に歩くことができました。

ある時、オリオンは王の娘を妻にもらおうと、その島を荒らしていた 大ジシを打ち殺し、それを贈り物として王に申し込みました。
しかし、乱暴をはたらいたので、王は怒ってオリオンを酔わし、目をつぶしてから海岸へ捨ててしまいました。

めくらにされたオリオンは神の告げでレムノス島にたどり着き、そこで再び目が見えるようにしてもらいました。

それからオリオンは月と狩りの女神アルテミスに愛されました。 女神の兄アポロンはそれが気に入りませんでした。

アポロンは妹をだましてオリオンを射させました。
だまされたと知ったアルテミスはひどく悲しみ、 大神に願ってオリオンを星空へ上げてもらい、自分からいつも見えるようにしたといわれています。




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<中国>
星の追いかけくら


オリオンは天下に敵なしと高言したむくいで、
大サソリに刺し殺されて共に星座となりました。

それで今もサソリを恐れて、サソリが西に沈むのを
待ってから東に昇ってくると伝えられています。




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オリオン




















<ボルネオ>
きずついた男


オリオンは空へ上ったあと、天上のならわしが人間界とは違うことを知りました。
妻はそれを一つ一つ教えるのですが、オリオンはなかなか覚えません。

飯は一粒ずつ針でさして食べなければならないのに、
つい手づかみで口に入れてしまい妻を失望させました。

あくる日から、オリオンは木を倒す仕事を言いつけられました。
妻は「天の木は、その根にオノの刃を向けるだけで倒れるから、 決してオノを打ち込んではいけない」と繰り返し教えてやりました。

けれどオリオンはまたそれを忘れてオノを打ち込んでしまいました。
天上のおきてを破ったむくいで、大木がオリオンの方へ倒れてきて 左肩に当たり、左手が不自由になりました。

これですっかり怯えてしまったオリオンは、妻がのばした
豆のつるにすがって、人間界に帰っていきました。

そして死んでからまた空に上ってオリオン座になったといわれています。




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