WHAT'S THE ENERGY?

エネルギー問題…なんだか難しそうな響きがする言葉だなと思われる方が多いと思われます。少しとっつきにくい内容だけあって、いきなり難しい説明文がこられると、やる気も失せます。まず、アルとエルゴンの会話を通して、エネルギーの基礎的な知識を学んでみましょう。
場面はとある昼下がりの時、部屋で昼食を食べているアルのところに、アルの助手でありペットでもあるエルゴンがやってくるところから始まります。

ご主人〜、片付けは終わりましたよ。お腹すいたんで、ごはんもらえませんか?
もぐぐ、おおエルゴンか。んじゃ、俺のサンドウィッチでもやるか、ほい。

これだけですか?少ないですよ!

う、うるさいな。そんな小さい体のくせに。

それでも、エネルギーは必要ですよ、もう一枚ぐらい…!

わ、分かったよ…。そーいやこの間、エネルギー問題について子供相手に説明すること、頼まれたような…?
だったらこの時間に、その打ち合わせをやっておいたらどうですか?入門者向けの分かりやすい解説を考えましょうよ。


でも、あれはまだ先じゃないか。ちょっと待ってくれよ。

そう言ってこの間も約束をすっぽかしましたね!

うう、わ、分かったよ。じゃ、まずエネルギーとは何ぞや…から。そうそう、エネルギーの語源とかいいな。

エネルギーは、力や仕事を意味するギリシャ語の「エルゴン」と、量を示す「エネルギア」が語源でしたね。私の名前はそこから取ったんですか…。

ああ、安易な名前で悪かったな。簡単に言えば、エネルギーは「物が動くもと」ということになるんだな。じゃあ、次は使用されているエネルギーの分類にいこうか…。
  (アルは模造紙を広げて、図を描き始めた)
ざっと描くと、こーんな感じかな。




エネルギーは大きく分けると「太陽エネルギー」と「人間の開発したエネルギー」の二つになる。

人間以外の動植物は、太陽からのエネルギーを前提に暮らしている。太陽では、中心部で水素の原子核が融合して、ヘリウム原子になる核融合が行われている。そのときに膨大なエネルギーを出すんだ。1年間に石油換算で約94兆トンものエネルギーが地球上に降り注ぐんだ。

もう一つの人間の開発したエネルギーには、化石エネルギーと非化石エネルギーの二つがある。

化石エネルギーというのは、石油、石炭、天然ガス、LPGを指す。いずれも地中から採掘されるエネルギーで世界の一次エネルギー(海外から輸入したり国内で算出されるもので、第一次段階で使用される)の88%を占める。これらは、35億年前の大気中に95%もあった炭酸ガス(二酸化炭素=CO2)の大部分が植物や動物によって吸収されたものだ。そして、この炭素の固まりの化石エネルギーを高温に熱すると大気中の酸素と結合して熱エネルギーを出すんだ。

けど、これをハイテンポでかつ大量に使うと、燃焼とともに炭酸ガスが海や森に吸収しきれずに大気中に残って、空気中の二酸化炭素の濃度が高まってしまうんだよ。それによって、地球は温暖化が進み、世界各地で異常気象が起こるようになり、海面水位も上がっていくんだ。

そういえば、今年は台風は多いし、夏は異常に暑かったし…、やっぱりそれが影響しているんですかね。
ああ。だから、俺達は早いうちに化石燃料に変わるエネルギーを見つけなくてはならない。それも、今と変わらない電気量を供給できることを前提にね。
でも、現在では様々な種類のエネルギーが出てきていますよ。それらでなんとかならないんでしょうかね。
実用化にはまだまだ発展途上だ。 電気の使用量に関しては年々増え続けていて、今度やって来る子供達が住む日本では、2010年には10,000kwになると言われている。
それって多いんですか?
先進国だからな、全体からみれば多い。ちなみにエネルギー使用量に関しては、日本国民一人当たり4.1トンになる。世界の累計では1.6トンだ。だが、アメリカやカナダの使用量は日本を大きく上回る8.0トンだ。
先進国だけでそんなに使ったら環境破壊もそうですけど、エネルギー不足にもなりかねませんよね。
そう、何でも限りがある。際限なくほいほい出るわけないからな。そういう事もあって、早く非化石燃料にシフトしなければならないんだ。