しゃもじ、釜。
鏡。
皿、茶碗。
着物、傘。
普段の生活に必要な道具達がいました。
道具達が会話していました。
「私のこといつも綺麗に磨いてくれるから、ここのおばあさん大好きなの」
鏡が言いました。
「ここの美人なお嬢さんに着てもらえるなら、僕は幸せものだ」
小袖が言いました。
「おじいさんが、おいらのこと繕ってくれた。けど、やっぱり雨を通してしまう。
わしもそろそろ引退かな…」
からかさがため息をつきました。
道具達がユウタと河童にやっと気づきました。
「……やあ。いらっしゃい」
一瞬静かになった後、彼らが声を揃えて挨拶しました。