つくも神つくも神

命を持たない道具類でも、長い年月が経つと「気」を帯びてきます。
九十九神(つくもがみ)とも書き、捨てられた物が恨み等を持って生まれた妖怪です。
家具や調度品はもちろん、食器や調理器具、文房具、仏具、武具、衣類。
さらに、人間の気持ちがこもりやすい絵や文字なども妖怪になることがあります。

眼・口・手足などがついて、勝手に動いたり喋ったりするといわれています。
ほぼ人畜無害ですが、騒いだり悪戯(いたずら)をするのが大好きです。
供養されずに捨てられた恨みから、悪さをすることもあります。

昔の人はとてもとても長い間、物を大切にしていました。
だからこそ、つくも神も宿りやすかったといえます。
神が宿った物を捨てるときは、念入りに供養していたそうです。
対して、物が溢れている現代では、すぐに物が捨てられてしまうため
つくも神が宿る余地は、ほとんどないといえます。

なお、老女の白髪を意味することもあります。