モネの趣味は庭づくりだった。
フランスに土地を買うと、果樹園を花の庭に変え、
池を作り、睡蓮を浮かべた。
モネが庭に咲く睡蓮を主題にして絵を描き始めるのは、
1899年頃のことである。
その時期の「睡蓮」には、画面中央に、
モネが日本に憧れて作った太鼓橋が描かれている。
1900年頃に睡蓮の池が拡張されると、
モネの関心は池の水辺へと移っていく。
睡蓮とその水辺が大きく描かれるのは、この頃からだ。
モネは、のちに「睡蓮、水の風景の連作」と題した
展覧会で、その時期に描いた「睡蓮」の中から
48点の作品を発表している。
モネはこのあたりから、ひとつの部屋を睡蓮の絵だけで
飾るという構想を抱いていたそうだ。
このときモネは、70歳を迎えようとしていた。
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