さ |
祭壇 |
供え物(そなえもの)のために他から区別された場所。 |
細密描写 |
細い線を用いて対象物の細部に至るまで表現した絵画のことを指します。鉛筆やペン,細筆を用いますが,エッチングやドライポイントのような版画では針やニードルを用いて描きます。淡い色を付けて仕上げる淡彩画はまずこの技法で描いてから,透明描法で彩色を行います。
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錯視 |
本来の事実とは異なり,ごまかしによってそうであると錯覚させる視覚の不思議を指します。長さが違ったり,平行であるはずなのに傾いて見えたりする手法を利用して描かれた図です。
これを利用した絵画では,モーリス・エッシャーが有名です。
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さっ筆 |
パステルやコンテで描くときに使われます。微妙なグラデーションや,淡い感じやぼかしの効果を表すときにこれを用います。材質は紙でできており,こすることで表現します。
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三原色 |
色の三原色と光の三原色があります。
※原色の項を参照のこと。
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し |
慈愛 |
いつくしみ愛すること。 |
信楽焼 |
滋賀県の信楽地方(町)で算出する粘土を使ってつくられる陶器のことです。日本六古窯のひとつで,平安時代から今日に至るまで焼かれ続けています。
よく狸の置き物が取り上げられるので,知っている人も多いのではないでしょうか。 |
じかづけ |
まず作品の中心となる心棒をつくり,その周囲に直接石膏やセメントなどをつけて製作していく彫刻の手法です。 |
磁器 |
石の粉(石英;ガラス質)を練って焼成する。陶器よりも高い温度で焼きます。 |
色彩 |
いろ。いろどり。 |
色相・色相環 |
色の3要素の一つの呼び名です。色の3原色によって作り出されるだいだいやむらさきといった,色それぞれがもっている雰囲気のことです。手相や人相といえばさまざまな形態があるように,色にもさまざまな特徴があることを指しています。
色相環とは,三原色を使ってつくられています。教科書などに登場する12色相環とは色相を12個使ってつくられています。 |
実利 |
現実の利益。実際の効用。 |
使徒 |
キリストが選んだ12人の弟子。 |
写実 |
実際のままを絵や文章にうつすこと。 |
写実主義 |
19世紀の中期に現れた絵画の手法。ありのままに描くことを目的として,誇張も理想化もせずに現実を忠実に表現しようとした。クールベが有名。 |
ジャーナリスト |
新聞・放送などの編集者・記者などの総称。 |
シャモット |
粘土を素焼きし,それを細かく砕いたものです。理科の実験で使われる沸騰石というのは,こうやって作られます。 |
主調色 |
画面全体の中で広い範囲を占める色はその絵の中心的な色彩となる。 |
シュパンヌンク |
形が持っている勢いのこと。三角形の鋭角部分はその頂点の方向に強く引っ張られるように感じる。 |
手法 |
物を作ったり事を行ったりする際のやり方。 |
シュールレアリズム |
日本語では超現実主義と表現されます。人間の心の中に潜む無意識や夢,欲望などに注目し,日常とかけ離れた不合理で幻想的な世界の表現を追求した芸術活動のことです。
大きな影響を与えたのは心理学者のフロイトでした。夢の世界は,普段隠れて見えない潜在意識が見せるものだと考えます。作家たちはこの潜在意識の世界を,様々な表現方法を用いて表現しようとしました。
主な作家にダリやエルンスト,マグリッド,ミロなど。 |
殉教 |
自己の信仰する宗教のためにその身命を犠牲にすること。 |
純色 |
色の3原色によってつくられる色相。色相環はこれによってつくられる。 |
書院造 |
室町時代に発達した建築様式。客間に床の間をつけたり,襖や障子でしきりを入れたりした。もともとは禅宗において書を読むための場所を建築に取り入れたといわれる。 |
焼成 |
粘土でつくられた作品を乾燥させ,焼いて硬化させること。これによって耐久性が増し,器などとして利用できる。
窯を利用し,素焼きの場合は800度前後,釉薬をかけた陶器であれば1250度前後,磁器の場合は1300度前後まで高められる。 |
情勢 |
変化していく物事のなりゆきや様子。 |
肖像 |
人物の姿をうつしとった絵・写真・彫刻。 |
新印象派(新印象主義) |
感覚的な色彩表現をさらに発展させて,色彩の原理を科学的に追求します。そこで点描という技法を生み出します。色彩は混ぜると済度が低下してしまいます。それを防ぐために小さな点状に色彩を並べ,鑑賞者の視覚上で混色させようと試みます。この場合は加算混合になり,混色しても鮮やかさが落ちません。代表的な作家にスーラ,シニャックがいます。 |
新鋭 |
新しくて勢いのするどいこと(もの)。 |
心象表現 |
表現活動を大きく二つに分けると絵画や彫塑のように目的となるものを表現するのではなく,純粋に自己の表したいものを造形・表現する分野と,ある目的を持っていて,それに適応させるデザインや工芸などの分野とに分けられます。前者を心象表現といい,後者を適応表現といいます。 |
寝殿造 |
平安時代の住宅様式のひとつ。南に神殿を配置し,必要に応じて左右に対の家を建てて,渡り廊下でつながっている。 |
信徒 |
その宗教を信仰する人。 |
心棒 |
彫塑の塑像制作の際に作品の中心となる,芯の部分のこと。木材や針金でつくられる。心棒の周りはシュロ縄で縛り,粘土がつきやすくする。 |
シンメトリー |
左右や上下など,ある部分を基準として対称となる形態のこと。
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す |
水煙 |
奈良時代の寺院にみられる。防火の象徴としてつくられる。屋根の上にあるものとしては鯱(しゃちほこ)が有名ですが,あれも屋根を水面(波)に見立てて,防火の願いを込めたものです。 |
水彩絵の具 |
顔料35%,アラビアゴム5%,グリセリン20%,水20%を練り合わせて作られています。この中には多少の防腐剤が混ぜられており,カビがはえるのを防いでいます。
水彩絵の具には透明水彩絵の具と不透明水彩絵の具があります。
透明水彩絵の具というのは,よく小学校で使われる風景画を描いたり,友達を書いたりするときに使った絵の具で,顔料の粒子が非常に細かく作られているために,水で薄く溶いてもきれいなグラデーションを表現できます。にじみやぼかしの効果も生きてきます。
不透明水彩絵の具というのはポスターカラーなどです。顔料の粒子が大きく,広い範囲を均一な色で仕上げるのに向いています。水は絵の具の粘度(粘りけ)が落ちないように,ほとんど加えずに使います。よく耳たぶの柔らかさだとか,アイスクリームが溶けたときのような,と表現されます。
その他水溶性の絵の具と言えばアクリル絵の具や日本画用の絵の具があります。 |
水墨画 |
鎌倉時代に禅宗と共に,中国から日本に渡る。宋,元の時代につくられた水墨画は室町時代の絵画に大きな影響を与える。 |
(すえき)
須恵器 |
飛鳥時代から鎌倉時代にかけてつくられていた焼き物の種類。ろくろで形を整えて素焼きをする。 |
スキージー |
版画の道具で平たくて幅の広いへら。インクを版の上で押し出し,延ばすために使用する。ゴムやポリウレタン樹脂のような弾力性のある素材によってつくられている。 |
(すきや)
数寄屋造 |
江戸時代の住宅建築様式のひとつ。桂離宮や修学院離宮が有名。 |
スクラッチ |
モダンテクニックの一つ。
クレヨンなどで下地に色を付けて最後に上から黒のクレヨンで重ね塗りをする。その後くぎの頭などでひっかいて下地の色を使って絵を描く表現方法。厚紙の表面をひっかいたりする技法もある。
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スタンピング |
モダンテクニックの一つ。
版(印)になるものを用意し,それを画面に押してつくる表現技法。
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ステンシル |
薄い金属板や紙を思い通りの形に切り抜き,その部分にインクなどを刷り込む版画の技法。染色などでも使われる。 |
ステンドグラス |
色ガラスを鉛の棒によって固定し,絵模様を作り出したもの。ゴシック建築の窓に盛んに用いられた。
(教会は天に近づくためにどんどん巨大化していった。建物が大きくなればなるほど室内は暗くなる。そこで室内では火を焚いていたが,より神に近い天の光を美しく感じさせるために,そこに差し込む「明かり取り」という以外の意味を込めて作り出された芸術ともいえる) |
砂袋 |
金属工芸に用いられる,板金打ち出しの時に下に敷くもの。 |
スパッタリング |
モダンテクニックの一つ。
やや水を多めにして溶いた絵の具を金網と歯ブラシを使って霧状にして紙に描く技法。型紙を用いた表現やぼかしの効果が利用できる。機械で製作する場合はエアーブラシという道具がある。 |
スペーシング |
レタリングを行う際に,「し」や「く」の様な文字幅の狭いものや,「い」などの文字幅の広いものの間隔をそれぞれの文字幅にあわせて文字の隙間をとって配置することで,文字の種類によって間延びした感じを防ぐ作業のことです。
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スペースデザイン |
環境デザインとも言います。室内のインテリアデザインに始まり,建築物,公園などの広い空間をデザインする場合にも使われることばです。 |
素焼き |
粘土で形を形成した後,完全に乾燥させてから700度前後で焼き上げること。釉薬をかける場合は必ずこれを行った後に本焼きをする。テラコッタは素焼きで制作する。 |
せ |
青磁器 |
緑青色の施釉を施した陶器,または磁器。 |
清色 |
純色に白,または黒を混ぜたときの名称。白は明清色,黒は暗清色と呼ぶ。灰色を混ぜたときは濁色という。 |
聖母子 |
幼児イエスと聖母マリア。 |
石版画 |
平版の一種で,リトグラフとも言われる。
無結晶石灰石の表面を平坦によく磨き,その上に石版用のクレヨンやインクで絵を描く。化学作用によって絵を写し取る版画。現在は金属板,すりガラスなどを使うことがある。水と油が反発し合う性質を利用している。 |
説話 |
神話・伝説・童話などの総称。 |
瀬戸焼 |
日本六古窯のひとつで,愛知県瀬戸市に古くから産する磁土を用いてつくられる陶磁器。「せともの」といわれるように,一般に広く伝わっている。 |
(せゆ)
施釉 |
焼き物をつくる際に,まず素焼きをする。その作品の表面に釉薬をかける作業のこと。この後乾燥させ,それぞれの釉薬に適した温度で焼成する。 |
線遠近法 |
※ 透視図法の項を参照のこと。 |
前代未聞 |
これまでに聞いたことのないこと。 |
そ |
(ぞうがん)
象嵌 |
工芸の装飾技法の一つ。
金属や磁器・木材などの工芸品において,同質の材料または他の材料を使って表面に模様や形を嵌入する手法。 |
壮大 |
さかんで大きいこと。立派なこと。 |
(そぞう)
塑像 |
彫ってつくる彫像に対して,粘土や石膏など,可塑性のある素材を使ってつくる像のこと。 |
染め付け |
磁器などに絵つけをする際,呉須(ごす)<塩化コバルト>を使って青い模様や絵を書き入れることを指す。 |