橙系
丹色
ぼたんいろ
#D75324 赤土の顔料や黄土を焼いて赤くした色を丹色という。
丹という文字を代表する顔料として、鉛に硫黄と硝石を加えて焼いた酸化鉛の鉛丹色がある。
神社社殿や鳥居を塗った色。
橙色
だいだいいろ
#F48500 ダイダイの表皮の色からつけられた色名。
今ではオレンジ色や蜜柑色という名称に認識が移行している。
赤朽葉
あかくちば
#F6894B 襲の色目に赤朽葉という名称があるが織物にも同じ色名がある。
これは、たて糸が赤、よこ糸が黄とされている為に混色は橙となり、晩秋の季節にしばしば着用された。
蘇比色
そひいろ
#EC7D4A 緋色の薄い色のことを蘇比色という。
緋色と同じ黄茜を原料として染めるが、緋色ほど高い位階の色ではない。
草色
かんぞういろ
#FFA43F 草は中国原産のユリ科の多年草で、夏に黄みの橙色の花を咲かせる。
この草を身につけると人の思いを忘れさせるという言い伝えから、忘れ草とも呼ばれていた。
代赭色
たいしゃいろ
#C26130 中国山西省では最高品質の赤鉄鉱を産出し、その顔料を代赭と呼んだ。
同じ赭色でも、赭ほうと書かれているものは天子や身分の高い人の衣服で、赭衣は罪人が着せられたものであった。
樺色
かばいろ
#CA421A 樺はヤマザクラの樹皮のこと。
染色の方法は、ウコンを紅を使って柿色の濃い色するため、濃い黄赤である。
弁柄色
べんがらいろ
#8B3B24 弁柄というのは外来のベンガラの当て字で、東インドの酸化鉄粘土=インディアンレッドの日本語名だとされている。
もともと当て字なので紅殻色、紅柄などの書き方もある。
丁子色
ちょうじいろ
#D38049 香料に使われるチョウジのつぼみを濃く煎じてその汁で染めた色のことで、黄褐色と伝えられている。
源氏物語の中にも「丁子そめ」という言葉があるほど、昔から存在する染色。
土器色
かわらけいろ
#C67445 粘土を焼いた素焼きの土器は、古墳時代の埴輪の色をはじめ、おおむね赤みの茶色をしている。
中世の頃からそのような色を土器色というようになった。
黄橡
きつるばみ
#A2764E 橡はクヌギの古い名前で、その実であるドングリを原料として染めた。
媒染剤なしで染めると黄橡という色になる。
琥珀色
こはくいろ
#C3803B 琥珀は中世以前から知られており、当初は「くはく」と呼ばれていた。
琥珀は太古の樹脂が化石となったもので、装身具、装飾品や香料などに使われた貴重な材料だった。
海老茶
えびちゃ
#551D00 伊勢えびの殻のような色とされる。
明治時代、女性に高等教育の門戸が開かれ、女学生や女教師が身につけた袴がこの海老茶色である。
煤竹色
すすだけいろ
#2B372D 竹が枯れてすすけたような色。
江戸時代には当時の○好みの色として流行したという。
撫子襲という種類もあり、表は紅、裏は青とされた。
朽葉色
くちばいろ
#FFAD6 落ち葉が地上で腐った、朽葉の色ににた黄みの茶。
襲の色目の中に朽葉があり、表は赤がかかった茶、裏は黄色という解説もある。
枯色
かれいろ
#FAC395 現在ではカーキー。
王朝文学にも紅梅色は美しい日本の色の代表として、しばしば登場する。
香色
こういろ
#EBC892 茶封筒のような薄いくすんだ茶色だが香色という芳しい名前がついたのは,丁子などの香木を煮出して染めたからであり、僧衣の色としては、紫に継ぐ高位の色とされた。
江戸茶
えどちゃ
#AC6E43 江戸好みの茶色だといわれている江戸茶は黄みの茶色をさしていたという。
当時の江戸の人の好みだとすると、茶の色名が黄の暗色から黄緑や緑の暗い中間色まで広がったのも不思議ではない。
白茶
しらちゃ
#E7C09E 利休茶は緑みの茶であり、それが薄くなると利休白茶という。
これらの色名には千利休が好んだ色という意味も込められていた。
媚茶
こびちゃ
#675640 ヤマモモ(楊梅)の樹皮で染めた古来の楊梅色は、黒みのある黄色だが、江戸の人達はこの色を人に媚びるような艶かしい色として媚茶と名づけた。
鴬茶
うぐいすちゃ
#56451D ヒワ(鶸)の羽の色みを感じさせる茶色として名付けられた。
これが濃くなると鴬茶になる。
団十郎茶
だんじゅうろうちゃ
#9E613C 初代市川団十郎以来、代々の団十郎が狂言の衣装に使った茶色で、弁柄と柿渋で染めた茶色をいう。
璃寛茶
りかんちゃ
#6A4A34 江戸の役者はたいてい俳号をもっている、ニ代目嵐吉三朗の好みの色とされているこげ茶色は、彼の俳号をつけて璃寛茶と呼ばれた。
芝翫茶
しかんちゃ
#A37552 江戸の人気役者芝翫は後の三代目中村歌右衛門で、少し明るい茶色を芝翫茶として使用した。
路考茶
ろこうちゃ
#AF6F00 最も長く流行を繰り返した役者色は、江戸の最初の女形ニ代目瀬川菊之丞の俳号をつけた路考茶。
江戸中の若い女性が彼の役の衣装や持ち物を真似たといわれている。