日本の歴史
.: * 日本の歴史 * :.

*飛鳥あすか時代*

  756年、中国のそう鑑真がんじんが日本に渡来とらいしたことは学校で習っているかな?
この鑑真がんじん渡来とらいをきっかけに、香木こうぼくこう調合方法などが伝わりました。
日本の香り文化はすごく発展します。
 伝わってきた香りは、仏様ほとけさまへの供香そなえこうや、神事しんじや政治での儀式ぎしきに使われました。
これは、貴族の人々を楽しませるものになりました。
 また、「万葉集まんようしゅう」にも香りに関係のある記録があります。
 こんな風に、日本では昔から香りが活用されてきたのですね!!
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語句
香木こうぼく 良い香りのある木で、香道こうどうに使われます。
こう 加熱すると良い香りをはっします。
供香そなえこう仏様を清めるために使われたもの
神事しんじ 神様をまつ儀礼ぎれいや行事のことです。
万葉集まんようしゅう 現在残っている中で一番古い歌集かしゅうのことです。

*平安時代*

  「枕草子まくらのそうし」「源氏物語げんじものがたり」「伊勢物語いせものがたり」「土佐日記とさにっき」など、平安時代に書かれた文学作品は多くあります。
中でも香りに1番関係しているのは、紫式部むらさきしきぶの書いた
源氏物語げんじものがたり」です。
 源氏物語げんじものがたりでは、当時の貴族の暮らしがよくわかります。
例えば、「着物に良い香りうつすための”衣香えこう”や室内を良い香りでいっぱいにするための”空薫物そらだきもの”などがあった。」ということがわかっています。
また、薫物合たきものあわせという遊戯ゆうぎもありました。
これは当時の貴族の最高の遊戯ゆうぎでした。
←実際におこうをかいで見ました!
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語句
枕草子まくらのそうし 平安時代中期の随筆ずいひつで、清少納言せいしょうなごんが書いたものです。
源氏物語げんじもんがたり 平安時代中期の長編物語ちょうへんもんがたりで、紫式部むらさきしきぶが書いたものです。
伊勢物語いせものがたり 平安時代の歌物語ですが、作者は不明です。
土佐日記とさにっき 日本で最初の仮名文かなぶんの日記で、紀貫之きのつらゆきが書きました。
薫物合たきものあわせ 様々な練香ねりこうを持ち寄って、それをいて、審査しんさする人がその優劣ゆうれつを決めて、勝負を決める宮廷遊戯きゅううていゆうぎです。

*室町むろまち時代*

 足利義政あしかがよしまさの建築物の「銀閣寺ぎんかくじ東山山荘ひがしやまさんそう)」を知っていますか?
ここを中心に、東山文化というものが発展します。
東山文化は公家くげの文化と武家の文化と禅宗的要素ぜんしゅうてきようそでつくられました。
この文化によって、建築物の特徴や、道具や美術品の雰囲気が大きく変わました。
また、その中で香道こうどうがつくられました。
---香道---
茶道さどう華道こうどうと並んで、日本三大芸道のひとつです。
香木こうぼくをたき、その味わいを鑑賞するのが香道こうどうです。「組香くみこう」を また香道こうどうでは、香りを「ぐ」とは言わずに「聞く」と表現します。
心を集中する香道こうどうは、知的で優れた遊びの世界なのです。
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語句
禅宗ぜんしゅう 仏教の一派いっぱです。
茶道さどう お茶の作法によって精神をきよめ、人との付き合いや礼儀をきわめる道のことです。
華道かどう いけばなのこと。
組香くみこう 様々な種類の香木こうぼくいて、その香の名前を言い当てることをします。

*現代のかおり*

 現在多くの人に愛されている香水は、16世紀から18世紀にその基礎を固めました。
18世紀以降も人々にもてはやされました。
それと同時に、香水の香りをつくる調香師ちょうこうし活躍かつやくの場を広げていきました。
 また18世紀中頃からは、急速に発展した科学技術によって「合成香料ごうせいこうりょう」の利用が増えました。
これを使うことで、作られたにおいが自然のものに近づくことができるようになりました。
ストレスの多い現代で癒しいや効果のある香りは、私たちの生活の中にたくさん利用されています。
 香りは宗教儀式しゅうきょうぎしきに使われたことから歴史が始まりました。そして、4つの方向へと発展したと考えられています。
1つ目は呪術じゅじゅつから医学。
2つ目は環境の浄化じょうか
3つ目は化粧品けしょうひん
最後は食品しょくひんです。
 香り物質は、もともとは自然のものでした。
しかし、社会が複雑になり、香料がたくさん使われるようになると、合成香料が必要になりました。
人の気分まで変えてくれる香りは、「美」と「健康」をもたらす大切な手段なのです。
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語句
調香師ちょうこうし 香水などで、新種の香料を調合ちょうごうする人のことです。
呪術じゅじゅつ 神秘的しんぴてきな力に働きかけて、様々な目的を達成しようとする意図的いとてきな行為のことです。