世界四大文明の歴史
.: * 世界四大文明の歴史 * :.

*メソポタミア*

 メソポタミアとは「川の間の土地」という意味で、川とはチグリス・ユーフラテス川をさしています。
約一万年前に栄えた文明で、一番古い文明であったようです。
 メソポタミアの人々は、香りを大切にしていました。
例えば火の中に入れると良い香りを出す植物から、良い香りのする油を作りました。
また神をまつ祭壇さいだんでは、よい香りのするけむりを浴びる事で、神の前に立てるきれいな心と体にしました。
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語句
祭壇さいだん 神や祖先をまつっただん

*エジプト*

 エジプト文明は、ナイル川の流域りゅういき石器せっき時代から発展した、約一万年間続いた文明です。
 約3300年前に作られたといわれているツタンカーメンの王のはかからは、つぼに入った香油こうゆが残っていました。
 ミイラも、香りとは深い関係があります。
香りをき、香料を使った聖水せいすいで体をきよめて、王の体から脳と内臓を取り出して、つぼに納めます。
残った体の空洞くうどうには、防臭ぼうしゅう防腐効果ぼうふこうかのある植物やあさの布で体を包み、黄金製のひつぎに入れ、さらにそれを石棺せきかんに納めました。
このとき使われた香料植物こうりょうしょくぶつはいくつかありましたが、樹脂じゅし没薬もつやく(=ミルラ)から「ミイラ」という言葉がでてきたようです。
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語句
香油こうゆ 髪などにつける、においのよい油

*インダス*

  インダス川の流域りゅういきには文明が発展し、古くから水を使った行政ぎょうせいや農業や商業が栄えていました。
それから、約5000年前に下水道や公共設備こうきょうせつび完備かんびした古代都市国家が作られました。
 この古代都市国家では、シナモンなどの香料が生産され、物々交換ぶつぶつこうかんをしていました。
 紀元前きげんぜん世紀頃せいきごろさかんになった仏教文化も、香りとは深い関係がありました。
開祖かいそである釈迦しゃかについては多くの言い伝えがあります。
インドで特に有名なもののひとつに「ジャータカ」があります。
 「ジャータカ」では、釈迦しゃかが人間や動物に生まれ変わり、努力をし、おこないをするという話があります。
この中で、色々な香りのことが語られています。
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語句
行政ぎょうせい 国の機関や地方の公共団体こうきょうだんたいが法律にもとづいて行う政治上の実務
開祖かいそ 宗教の創始者そうし

*中国*

  今の黄河流域こうがりゅういきを中心に、黄河文明こうがりゅういきさかえたと言われています。
紀元前きげんぜん450年頃ねんごろ陶磁器とうじきの原形と思われるものが多く出土しゅつどしていますが、香りに関係のあるとはっきりわかる出土品しゅつどひんは発見されていません。
 紀元前きげんぜん300年頃ねんごろになると、祭りの時に身をきよめるためや、お酒、食事の味付けに香辛料が使われていたという記録があります。
この時代、食物や香料などおの言葉に西域せいいきを表す「」が多くあります。
このことから、中国の香り文化はインダスとメソポタミア文明からの影響が大きいと考えられています。

 とうの時代、楊貴妃ようきひという人がいたのは知っていますか?

彼女は美人であったといわれていました。
また、クレオパトラ同様に、香りにも注意をはらっていました。
当時の中国で流行した「体身香たいしんこう」によって、体からはいつも香りがただようように心掛こころがけていたそうです。
また当時は、王様や貴族の前に出るときには、香りのでるものを口にふくまなければいけませんでした。