人間の匂いの感じ方
.: * 人間の匂いの感じ方 * :.
鼻をつまむと味がわからなくなる?

 みなさんは嫌いなものを、
鼻をつまんで食べたことはありませんか?
嫌いな理由が、「酸っぱいから」や「苦いから」など、味だけのせいならば、鼻をつまんでも何の効果もありません。鼻をつまめば食べれるのであれば、それはその味が嫌いなのではなく、においが嫌いなのです。

 においはもちろん鼻で感じます。しかし、においの分子が鼻の中に入るには、二つの経路が存在します。その経路を左の絵を参照しながら説明していきます。
まず一つ目の経路は、呼吸する(赤矢印を通る)ことによって鼻腔(ピンクの部分)を通る、前方から鼻腔に入る場合です。
もう一つ目の経路は、口の中から、のどのほんの少し手前(黄緑矢印)を通る、後方から鼻腔に入る場合です。
においに関して、例えばアイスを食べたときに、私たちはイチゴ味やバナナ味と表現をしますが、実際は私たちが「イチゴ」や「バナナ」と感じるいわゆる“味”は、本当の味ではなく、イチゴのにおいであり、バナナのにおいなのです。何種類ものフレーバーがあるアイスクリームを食べくらべてみてください。色々な“味”があるように感じますが、鼻をつまむと味はどれもシンプルに「甘い」というだけになるでしょう。

 いろいろな“味”の違いは、本当はすべてにおいの違いなのです。  また、風邪をひいて鼻がつまると食べ物がおいしいと感じられなくなるのも、舌で感じるべき味(苦味、甘味、塩味、酸味、うま味)はちゃんと感じられていても、鼻からの呼吸ができなくなるので鼻腔ににおいが上がっていきにくくなり、においを感じることができなくなります。

 つまり、鼻をつまんでわからなくなるのはあくまでにおいなのですが、私たちはそのにおいをふだんから味だと思い込んでいるので、味がわからなくなったと感じているのです!

          そんな味覚と嗅覚の不思議を使って実験をしてみました!詳しくは→こちらへ