ファースト フレグランス
.: * 学んだ事 * :.
質問したこと
 


「調香師というお仕事は女性と男性どちらが多いのですか!?」



「一般に香りは…女性!というイメージが強いからか、女性と思われがちですが、
実は男性が95%で女性が5%なのです。香水。香水。と女性が騒ぐのに香りにたずさわるのは
男性が圧倒的に多い。変だと思いませんか??」




「フレーバーとフレグランスの違いって何ですか?」



フレーバーとは食品系の香りです。
チューイングガムやジュースなどのフルーツの味は甘味だけではなく香味からもできています。
一方、フレグランスとは、香粧品に入っている香りのことです。特にすべての化粧品には香料が入っているんですよ。
このように香りは今や食品や香粧品にとってかかせないものになっているんですよ。」

においとは…??
 
 有機化合物は約200万種あり、そのうち約40万種に「におい」があると言われています。
科学物質が「におい」になるためには、両親媒性を示すこと、揮発性を有すること、官能基を持つことの3条件が 必要です。
 においを感じるメカニズムは、におい物質⇒におい⇒嗅覚器⇒知覚であり、
「におい物質」とは、においになる能力を持っている化学物質(香料等)、
「におい」とは、におい物質が蒸散しガスや微粒子状態で気相中に拡散している状態、
「嗅覚器」とは、嗅覚器の受容細胞ににおいが科学的刺激を与えることによって生じる感覚のことです。
 におい物質の利用としては、香料がその代表例になっています。
食品に利用されているフレーバーや、香粧品に使用されているフレグランス等があります。

香料の分類
 
 香料は大別すると天然香料と合成香料に分類できます。
合成香料とは天然素材の成分を分析し、その成分を化学的に合成してつくられるものと、天然には存在しないが
香料として有効な成分を化学的に合成したものがあり、その数は約5000種(工業的規模での生産は約320種)にもなります。
単一の成分からなることから単品香料、あるいは化学的に合成されることからアロマケミカルと呼ばれることもあります。
またその化合物が天然に見出されていないものはアーティフィシャル(Artificial)もしくはニューケミカル(New Chemical)と呼んで区別しています。

 天然香料は、天然の動植物を原料として、それらの中に含まれている匂い物質を水蒸気蒸留、溶剤抽出、圧搾等の物理化学的処理によって 取り出されたもので、その数約1500種(香料市場で取引されているものは約150種)もあります。
原料の産地やその年の天候によって匂いが異なり、また天候や価格に左右されたり各種事情により入手できなくなって困る場合もあります。  一方合成香料は品質のバラつきがなく、安価で大量生産が可能であるという利点があります。

 調香ベース(一般的にベースと呼ばれることが多い)は、天然香料、合成香料とともに重要な調合素材として用いられます。
調合ベースとは、天然香料、合成香料より構成されており、種類は大きく2つに分類されます。ひとつは調香師のイメージによって作られたファンシーベース。もうひとつは、天然香料を人工的に再構築し、天然香料の代替品ということで合成精油と呼ばれています。ファンシーベースや合成精油は多くの香水に使用されていますが、分析化学の発展に伴い合成精油は次の天然精油に対して非常に有効になっています。

@高価な天然精油
A品質の不安定な天然精油
B資源問題により、入手に問題のある天然精油
C安全性に問題のある天然精油 などがあります。

 分析技術のめざましい進歩により、天然香料中の香りの重要な要素となる微量成分が次々と発見され、
天然香料の特徴をよくとらえた合成香料や調合ベースが市場に出ています。
 しかし、天然香料には天然のよさがありいくら分析して同じ成分で調合したとしても天然にある独特の香りのよさを再現できず
やはり代替品にすぎませんが、天然香料中には光感作性や、皮膚刺激の原因となる成分を含んでいるものもあります
これらの代替品としての合成香料の役割は大きいでしょう

調香師になりませんか…??
 
世界中のあらゆる食品に香料(香気物質)は含まれ、味覚と食文化の主役となっております。
一方、香粧品の分野においては、香水、芳香剤をはじめ、クリーム、シャンプー、石鹸、口紅など、
香料が香りの文化の主役となってあります。
 調香師は、まさしくこれ等二大分野の頂点に立つ香りの専門家であり、同時に菓子、
食品の商品づくりと化粧品の商品づくりができる
スーパー技術者と称しても過言ではありません。

 調理士、栄養士、薬剤師などの職種と比較してもその就業分野の広さはパンフレットの巻頭にも掲載されているように
無限大に広く、生涯を通して60代、70代でも現役での活躍が十分可能な希少価値と興味に満ち溢れた職種です。
そして、今後ますます人類の繁栄と文化に大きな貢献ができる素晴らしい職業です。

調香師になる条件とは…??
@香りに興味があり、好きであること
A味覚、嗅覚に異常のないこと
Bコミュニケーション能力があること
C深究心、執着心があること

香料は人類の財産!!
 
人類のみが有史以来数百万年の永きにわたり香料(香気物質)に由来する食の美味しさを追求し続け、
今日の人類の頭脳や身体を創りあげてきました。他の霊長類のように調理の味を楽しめなかった全ての動物の知能は、
極端に低く、人類とは比較になりません。
 いいかえれば、人類の頭脳・身体は、食の美味しさを求め続ける香料(香気物質)によってリードされ、
発達してきた
ことは容易に想像のつくところであり、この地球上の人類にとって香料の他の何物にも
替えがたいほどの財産である
といっても過言ではありません。
調香師とは、その最前線に立つ計り知れないほどの価値のある職業といえ、数多くの選択肢の中から
選ばれたとしても、生涯を通して絶対に悔いはないと確信する次第です。