
| 月神トート |
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天地や海山の創造主であり、ナイル川をも作ったとされる太陽神ラー は、聖なる船に乗って毎日天空を渡っていました。ところがラーも年を とり、よだれをたらすほどになりました。それを見た人々があざける ようになったので、ラーはみずからの眼を遣わし、人々を罰することに しました。 しかし、その眼が鳥の姿の女神ハトホルになって、次々に 人々を殺すのを見て、ラーは人類の絶滅を心配します。そこで、 ハトホルをあざむいて酒を飲ませて酔わせ、攻撃をやめさせます。 ラーはさらに衰弱したので、天の女神ヌートが、牝牛に変身してラーを 背中に乗せ天に昇ります。ラーは、世界の支配を大地の神ゲブに ゆずり、天の宮殿で暮らします。 その後、ラーは夜になると死の国に行き、死者に光をそそぐように なります。そのため、世界から光が失われました。そこで、ラーは 自分が死の国に行っているあいだ、月の神トートに天にいるようにと 命じました。それからは、鴇の姿をしたトートが夜の世界を見張る ことになったのです。 また、別の物語では、月はラーの左眼であるとも、神々の王ホルスの 眼であるともいわれています。 |