あの有名なセリフの真実

Qu'ils mangent
de la brioche






「パンが無ければお菓子を食べればいいのに」というマリーアントワネットが言ったとされる有名な言葉があります。
この言葉は、民衆が貧困に陥った時、
庶民の生活を知らないマリーアントワネットが「パンをくれ」と言われ、
パンよりもはるかに高いとされるお菓子を食べるように薦めた、というものです。
この言葉は彼女を悪女だとするのにしばしば使われてきました。
しかし、最近では「マリーアントワネットの言葉ではない」と言われています。

事実はどうなのでしょうか?

「マリーアントワネットの言葉ではない」という歴史的事実を出してみましょう。

@『告白』

ルソーの著書「告白」の中で「トスカーナ大公国の公爵夫人の言葉である」と書かれているという事実。

A『悪女たち』

アルフォンス・カーが、1843年出版した本「悪女たち」の中でアントワネットの言葉であるとされて有名になったという伝承。

A『後で作られた言葉』

フランス革命後、マリーアントワネットを含め、王族の人々にやりすぎたと思った民衆は、この言葉を作ることによって、自身を正当化したという検証。

これらから考えて、マリーアントワネットの言葉ではないと思います。

もし、この言葉がマリーアントワネットの言葉だと国民に信じられていたとしたら、毎日のパンを食べることさえままならなかった下層身分の国民にとって、この言葉はとてもひどいものに感じられたでしょう。
しかし、ここに示しているように、事実は何か分かりません。 民衆がうわさをするうちに事実が変わっていった可能性が高いのです。


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