右大臣・左大臣(うだいじん・さだいじん)

『完全無欠!!年の差ありありボディーガード』

 

四段目の左右の端に飾られる人形で、
天皇を補佐する役目を担う右大臣・左大臣を意味しています。
簡単に言えば二人は兵士。
持ち物もそれらしく弓矢・太刀(たち)を持ち、
外出時の正装である武官の装束を着ています。

『どっちがどっち??』と混乱してしまいそうですが…
この人形の見分け方は簡単!!
『左大臣は白髪の老人。右大臣は若者』←これだけ覚えれば完璧です。

『左右』という言葉にも表されているように、
位は左大臣のほうが右大臣よりも上なのです。
だから左大臣は年配の人形なんですね。

また、この人形も五人囃子のモデル『八楽人』と同様
京都で生まれ江戸に移されていきました。

ちなみに…。
本来この二人は、位が『三人官女』や『五人囃子』よりも高いのです。
それなのに、どうしてこれらの人形よりも低い位置に飾られているんでしょうか??

実はこの二人、ほかの人形と違い沓(くつ)を履いているんです。
また先ほども書いたように武器を手に持っているんです。
さすがに天皇を守る役職だからといって、宮中の中で弓矢を持ち歩く人はまずいないでしょう。
また、これは現代においてもいえることですが、宮中(家)の中を土足で歩き回る人もいないでしょう。
このことからこの二人は宮中の外に居るものとされているのです。
現代の雛人形では『五人囃子』の前に欄干がおいてあるものもあるので、
尚更区別がつきやすいかもしれません。
しかし江戸時代に描かれた浮世絵では『三人官女』と同じ二段目に飾られています。

もしや現代における降格でもされてしまったのでしょうか…??