ウイルス学

ウイルス学



ウイルス学は細菌学の後に研究が始まった。

細菌のようなより大きい粒子を研究し、
分離する技術が開発されるまでウイルスの存在は認識されなかったからである。

1884年、フランスの微生物学者であるCharles Chamberland(チャールズシャンベルラン)は、
水から細菌を除去するため磁器製のろ過器を発明したとき、
感染因子はすべてろ過器を通過することはできないと考えた。

しかしまもなく、あるろ過液(ろ過器を通過したもの)は
細菌がろ過除去された後で感染性を有することに気づいた。

オランダの微生物学者、Martinus Beijerinck(マルティヌスベイエリンク)は
なぜそのようなろ過液が感染性を有するのかを明らかにし、ウイルスの特徴を初めて記述した。

ウイルス Virusという言葉は以前には一般的に毒および感染性因子に対して使われていた。

Beijerinckはその言葉を細胞内に取り込まれる
特異的病原性 pathogenic(病気の原因となる)分子に当てはめて使用した。

彼はまた、これらの分子は宿主細胞 host cellとして知られている感染細胞の
代謝機構や複製機構を借りて分子自身が使用することを信じた。


アメリカの科学者、Wendell Stanley(ウェンデルスタンリー)は
1935年タバコモザイクウイルスを結晶化し、生命体の性状は、
また、化学物質としての性質を示すことを示した。

結晶はたんぱく質と核酸(RNA)で構成されていた。
核酸はほどなくしてウイルスの感染重要であることがわかった。

ウイルスは1939年に電子顕微鏡で観察された。

以来、科学的・顕微鏡的研究がウイルスの探索に用いられた。


1952年までにアメリカの生物学者Alfred HersheyとMartha Chaseは
いくつかのウイルスの遺伝物質は別の核酸、デオキシリボ核酸(DNA)であることを明らかにした。

1953年、アメリカのポスドクの学生James Watsonと英国の生物物理学者Fransis Crickは
DNAの構造を明らかにした。

ウイルスや細胞性生物において遺伝物質としてDNAがどのような働きをしているかを
理解するための舞台は急速に整えられた。

1995年代以来数百のウイルスが分離され性状が明らかにされた。
ウイルスいついてまだまだ研究することが残されているが、その構造や機能の理解は急速に進展した。