抗菌グッズで安心か?


ウイルスと菌は別物です。
ここで、ウイルスについてたくさん学んできましたが、
「あの抗菌って、なに?」と思っている人、特に小さいお子さんのいるお母さんは思うでしょう。
ウイルスとは少し外れて、抗菌についても知っておきましょう。

抗菌グッズはそんなに効果があるものなのか。
急に出てきたこの抗菌というこの言葉はとてもあいまいだ。



表よりきちんと定められているのは、滅菌消毒
この二つは、滅菌消毒法という法律で定められている。
滅菌はとにかくすべての生きた菌を殺すか除去すること。
消毒は感染のおそれがない量まで殺すか除去すること。
食品のほうでは消毒という言葉でなく同じ意味で殺菌という。

では抗菌はどうかといえば「滅菌、殺菌、消毒、静菌、除菌」などすべてを意味する。
菌の数が最初1万個あったとして、ゼロになっても抗菌、
1時間たって1万個で同じ数だとしても抗菌ということになる…。

抗菌グッズはたしかに抗菌物質を使ってつくられている。
抗菌物質の多くは銀や銅で、金属イオンと菌がくっついたときに、菌が死んでしまうことを利用している。
たしかに銀イオンや銅イオンは菌に対して有効であり一般に汚いと思われている
お金、コインが案外きれいなのはこのイオンのおかげです。
その性質を使って抗菌グッズは銀や銅を練り込んである。

その理論はまちがっていないが、問題もある。
銀がすごい抗菌力をもっていることは古くから証明されている。
だが、銀イオンが表面に付着した菌と結びついて菌が死ぬまでには時間がかかり、
抗菌グッズの表面に油分や水分がついてしまうと、イオンは働かなくなる。
だからいつもきれいにしておかないと抗菌の意味がないことには変わりはなく、
どんなに抗菌グッズをそろえても、それだけで掃除も片づけもいらないわけではない。
つまり抗菌グッズは残念ながら都合よくサボれる商品ではない。手間ひまかけてのちの抗菌グッズなのだ。