New model influenza

新型インフルエンザ



病原体:インフルエンザウイルス A型 H1N1亜型

2009年、世界的に大流行したインフルエンザ。

「新型インフルエンザ」のことを「豚インフルエンザ」という人がいるかと思いますが、
豚インフルエンザとは、オルソミクソウイルス科A型インフルエンザウイルスを病原体とする、
ブタの感染症のことで、家畜伝染病をいいます。

ブタは、ヒトやトリのA型インフルエンザにとても感染しやすいのです。
日本のブタの間で流行っているA型インフルエンザウイルスで主な亜型は、H1N1とH3N2です。
異なる亜型の豚インフルエンザウイルス株が同時に同じ細胞に感染したとき、
遺伝子再集合(2つの類似したウイルスが同じ細胞に感染して起こる遺伝物質の混合現象)によって
新型インフルエンザウイルスができる可能性があるということになるのです。

ただし、ここではヒトからヒトへ感染する感染症について、
「新型インフルエンザ」と呼ぶことにします。

感染経路


<ひとつめ>
トリ(鳥インフルエンザウイルスに感染している)

ブタ(ここで鳥インフルエンザウイルスとヒトインフルエンザから新型インフルエンザに変異)

ヒト
↓(季節性インフルエンザとして感染)
ヒト

<ふたつめ>
トリ(鳥インフルエンザウイルスに感染している)

ヒト(2種類のウイルスの再集合で、ヒト―ヒトの感染が可能になる新型インフルエンザウイルスに変異)

ヒト(季節性インフルエンザとして感染) / ヒト(新型インフルエンザウイルスとして大流行)

<みっつめ>
トリ(鳥インフルエンザウイルスに感染している)

ヒト(突然変異して、ヒト―ヒトの感染が可能になる新型インフルエンザウイルスに変異)

ヒト(新型インフルエンザウイルスとして、大流行)

考えられている感染経路は、このようになっています。

しかし、インフルエンザはとても変異しやすい性質を持っています。
これからも変異していく可能性は高いでしょう。

潜伏期間
多くの場合、2〜3日の潜伏期間の後、発熱などの症状が出ます。
早い場合では24時間後、遅い場合では4〜5日で最長は7日後です。

症状
新型インフルエンザの初期症状は一般的なインフルエンザとほぼ同様と思われます。
しかし、下痢、嘔吐、腹痛などが現れる可能性もあります。

10〜39歳の若い年齢層で1番高い致死率を記録しています。
重症化することが多く、早い段階で下気道症状が現れて急速に悪化し、
下痢症、神経症状も現れる特徴があるとみられています。

感染が疑われる家族がいる場合、
早くに地域の保健所に電話をして対応策を聞くことが大切です。
あわてて病院に駆け込むのは避けてください。
新型インフルエンザは感染力が強いので
病院に行く途中や待合室等で感染が拡大してしまう恐れがあるのです。

予防、治療へ