Penisillin

ペニシリン



ペニシリンは病気の名前ではありません。

治療薬として最初に使われた抗生物質です。

1928年、イギリスの細菌学者フレミングが、ブドウ球菌の培養中に偶然アオカビが混入し
その周辺でブドウ球菌の溶菌現象がおこり、抗菌作用を示す物質のあることを発見しました。

その物質をペニシリンと言います。

しかし、熟練した化学者の協力がなく、
治療価値を調べられる程度まで濾液(ろえき)を精選濃縮することができないまま
約10年間も放置されていました。

かくして1940年に至り、
イギリスの病理学者フローリーと生化学者チェインらによって初めて
粉末状に分離され、化学的に安定な形で使われるようになり、
ヒトのグラム陽性菌感染症にすばらしい治療効果を示すことが実証され、
抗生物質時代の幕開きとなり、これをペニシリンの再発見とよんでいます。