水が原因で紛争や対立が起こっているなんて、日本のような国からすれば信じられないようなことです。
しかし、これまでにこのカテゴリで説明してきたように、すでに水は貴重な資源となっています。
その資源をめぐって紛争が起こることは、世界的に見て、そう珍しいものでもなくなってきているのです。

5大紛争地域

アラル海地域
1960年には世界第4位の水面積を誇っていたアラル海ですが、1989年に大アラル・小アラルに分断されました。
また灌漑によって、貯水量は2000年時点で85%も減少してしまいました。
そして、アラル海をとりまく、カザフスタン、ウズベキスタン、イランなどでは紛争が起こっています。
インダス川流域
パキスタンがインダス川の水の流れを変える運河建設をしたことで、インドからは水の横領として見なされて水路の閉鎖で対抗され、水の所有権をめぐって紛争が起こりました。
しかし1960年代には争いを終始し、インダス水条約を結んで、他の戦線でも二国間の平和は強固なものになりました。
ヨルダン川流域
イスラエル、ヨルダン、レバノンなどは、主にヨルダン川から水を得ていますが、その水配分や水源地域の所有をめぐって、争われました。
また、イスラエルがヨルダン川上流地域に住む人々へ安定して水を供給するために、水路の建設計画を立てたのですが、この計画が、ヨルダンやレバノンなどのヨルダン川下流地域への水供給を著しく減少させるため、反発を受けました。
ナイル川流域
1959年にエジプトとスーダンがそれぞれ結んだ二つの協定に基づいて、ナイル川の取水量は、エジプトが約75%、スーダンは約25%となっています。
この水使用の割合、またダム建設のトラブルをめぐり、争いが起こっています。
チグリス・ユーフラテス川流域
トルコ、シリア、イラクでは、水資源開発と水配分をめぐり、紛争が起こりました。
トルコが出したアナトリア計画では、イラクが90%以上の水を引いているチグリス・ユーフラテス川流域をトルコが管理をしてもいいことになっています。
これは、イラクにとっては脅威であり、この計画を妨げています。

世界では『水』をを巡って紛争が起きている。

戻る